ハーバード大学医学部のBruce BeanとClifford Woolfの研究室がQPatch Compactを導入

Sophionの新しいセミオートパッチクランプシステム「QPatch Compact」によるベータテスト期間を経て、ハーバード大学医学部Blavatnik研究所のBruce BeanとClifford Woolf研究室およびボストン小児病院のF.M. Kirby Neurobiology CenterがQPatch Compactの導入を決定しました。

QPatch Compactの導入には、今まで手動で行っていたパッチクランプアッセイの「スケールアップ」が必要であったことと複数の薬剤を単一の細胞に高速かつ柔軟に適用できるQPatch Compactの性能という2つの要因が影響しました。QPatch Compactは、20年以上に渡るQPatch IとQPatch IIで実証された技術を利用しています。

Bruce Beanは次のようにコメントしています。「QPatch Compactは、数マイクロリットルの溶液をピペッティングするだけで瞬時に溶液を適用できるため、実験中に任意の順序で溶液を交換できる点が優れています。柔軟な溶液処理能力は、迅速な用量反応決定に最適です。また、わずか数マイクロリットルの溶液で完全な溶液交換ができることは、高価な毒素を扱う実験に特に有用です。」

こちらのグループでは、QPatch Compactを使用して、さまざまな電位依存性イオンチャネルの薬理学を調査し、痛みの治療に役立つ新しい非オピオイド化合物の生成にフォーカスを当てています。

この装置は、Bruce Bean、Patric Vaelli、Akie Fujita、Bear Zhang、Sooyeon Jo、Tomas Osorno、Rasheen Powellなど、経験豊富な電気生理学者のコアグループによって運営されます。

Blavatnik研究所について: ハーバード大学医学部のBlavatnik研究所は、HMS Dean George Q. Daleyが率いる世界トップクラスの教授達が、基礎研究および応用生物医学研究を通して人類の健康において最大の問題点を解決することを目指しています。生物化学・分子薬理学、生物医学情報学、細胞生物学、遺伝学、グローバルヘルス・社会医学、医療政策、免疫学、微生物学、神経生物学、幹細胞・再生生物学、システム生物学を含む11の基礎部門と社会科学部門で構成されHMSクアドラングルにある科学事業の独自性を反映しています。こちらの研究所は、ハーバード大学医学部のためにBlavatnik Family財団が行った重要な取り組みが評価され、2018年11月に命名されました。

Bruce Bean博士について: Bean博士は、ハーバード大学医学部の神経生物学Robert Winthrop教授です。彼はイオン チャネルがニューロンと心筋の興奮性を制御する仕組み関する研究で知られる生理学者です。Beanは1979 年にロチェスター大学で生物物理学の博士号を取得し、イエール大学医学部で博士研究員として、Richard W.Tsienと共に心臓電気生理学の研究に従事しました。現職のハーバード大学医学部の他に、アイオワ大学、オレゴン健康科学大学Vollum研究所に勤務した経験もあります。

Clifford Woolf医学博士について: Woolf博士は、ボストン小児病院のF.M. Kirby神経生物学センターと神経生物学プログラムのディレクターを務めています。南アフリカのヨハネスブルグにあるウィットウォーターズランド大学で修士号と博士号を取得した後、ロンドン大学で神経生物学の教授を務めました。Woolfはハーバード大学医学部のRichard J Kitz麻酔研究所の初代所長としてボストンに移り、マサチューセッツ総合病院の麻酔・重症患者部門を拠点に神経可塑性研究グループを立ち上げました。また、ハーバード大学幹細胞研究所およびハーバード大学医学部神経生物学教室の教授をでもあります。