クモ毒ペプチドからてんかん治療薬を発見
先日、Dr. Daniela Rojas AzofeifaをSophionへお迎えしました。私たちは、Kv7.2/Kv7.3チャネル活性のモジュレーター特定を目指し、クモ毒ペプチドを用いた効率的なスクリーニングのための新しいプロトコルを共同開発しています。これにより、チャネル関連てんかんに関する機能獲得型変異の理解と治療法開発が期待されます。
先日博士号を取得したDaniela Rojas Azofeifaは、現在はオーストラリアのQueensland University 分子生物科学研究所のGlenn King教授の研究室でポスドク研究員として在籍しています。Dr. Linda BlomsterとGlenn King教授の指導の下、Danielaの研究はクモ毒ペプチドを使用してKv7.2/Kv7.3チャネル活性のモジュレーターを特定することに焦点を当てており、KCNQ2遺伝子に変異があるてんかんの治療をターゲットとしています。
ヨーロッパ訪問の際に、DanielaはスウェーデンのLinköping Ion Channel Meeting 2024にも参加し、Linköping UniversityでAmaya JauregiとNina Ottossonにも会い、Kv7チャネルの研究におけるプロトコルの開発について学びました。
Danielaの研究について、いくつか質問しました。
Sophionラボへの訪問目的は?
私は、ペプチド・タンパク質科学における革新のためのオーストラリア研究センター(ARC Centre of Excellence for Innovations in Peptide and Protein Science:CIPPS)から能力開発助成金を受けています。今回Sophionデンマーク本社の専門家と協力して、QPatchを用いた実験においてフッ化物を減少させるハイスループットスクリーニングのプロトコル開発を行うことができました。この共同研究により、ペプチドモジュレーターを用いた効率的なスクリーニングを実施することができ、チャネル関連てんかんにおける機能獲得型突然変異の理解と潜在的な治療法の進歩につながりました。
今回のSophionへの訪問と共同研究は、あなたの研究に有用でしたか?
この共同研究で開発しているプロトコルは、Kv7.2/7.3イオンチャネルを研究している方だけでなく、Ca2+依存的にチャネルを活性化するペプチドを研究している方にも役立つでしょう。この新しい標準化されたプロトコルは、研究プロセスを合理化し、イオンチャネル調節のさまざまな分野における理解の進展に貢献すると思います。
Sophionとの共同作業はいかがでしたか?
Sophion のアプリケーション サイエンティストであるNaja Møller Sørensenは、私の訪問計画当初から非常に協力的でした。彼女の、このアッセイ、Sophionのシステム・ソフトウェアについての知識は完璧です。彼女のおかげで、私はオートパッチクランプを用いた生理学実験に習熟し、組織培養についての専門知識を高め、産業界での実務やサイエンス・コミュニティへの関与についての見識を深めることができました。
Daniela Rojas Azofeifaは、Linköping Ion Channel Meetingで、「噛みつきから洞察へ:イオンチャネル研究におけるクモ毒の利用とその治療開発における可能性」と題したポスターで最新の研究結果を発表しました。