高分子と自動パッチクランプ:Qube 384を用いたスコーピオン・トキシンのBKチャネル阻害作用試験
現在、認証済み医薬品の90%以上は低分子ですが、医薬品研究において高分子(1,000 Da以上、生物学的製剤として知られる)の注目度と重要性が急速に高まり、すでに世界で販売されている医薬品トップ10の多くを占めています。高分子は、その作用様式に注目が集まり、ときに低分子よりも高い標的特異性や効能を得ることができます。
自動パッチクランプ(APC)システムは、低分子の医薬品研究と特性評価に過去20年間も使用されてきました。一方で、高分子の特性評価にAPCシステムが使用されることはほとんどありませんでした。しかし、Sophionのシステムは、ペプチド、毒性、Knotbody、抗体などの高分子の特性評価に対応することができます。
この新たなアプリケーションレポートでは、Qube 384が高分子の薬理学的計測に十分適応していることを証明しており、マイクロ流路を用いた少液量の適用で抗体や毒性といった高価で希少な分子を効果的に評価しています。
QubeでBKチャネルに対するChTxの作用を評価したところ、文献値と一致した抑制作用を示すことができました。また、抑制作用の時間推移は濃度依存的であり、QChipのマイクロ流路構造のおかげで観察することができました。QChipのマイクロ流路構造により、実験に必要な薬液量は1濃度あたり18μL程と少量で済むため、希少で高価な化合物の試験を実施することが可能です。詳しくはこちらのレポートをご覧ください。