QPatch IIの新しいソフトウェアリリースを公開

このプラットフォームの最新ソフトウェアアップグレードである QPatch II Mars にアップグレードすることで、お使いの QPatch II システムの利点を最大限に活かすことができます。

QPatch II Marsは、ユーザーや社内の研究者から多大な意見をもとに開発された様々な新機能を搭載しています。QPatch II Marsソフトウェアの機能のハイライトは以下の通りです。

アダプティブカレントクランプ

電流クランプ(CC)により、イオンチャネルが細胞膜電位をどのように設定し、神経細胞や心筋細胞で活動電位などをどのように発生させるかを記録することができます。自動パッチクランプでこのような生理学的反応を調べるには、各細胞を個別に扱えることが望ましいのですが、QPatch II ではこれが可能になりました。Adaptive CCは、「Vxx」機能をベースに構築されており、固有の電流値を自動的に測定して各細胞に適用します。各細胞を個別に調査し、オンラインで解析し、自動的に個別の電流注入にさらすことができます。このような個別の電流注入は、適切な静止膜電位を取得し、QPlate全体でより均一な活動電位を呼び出すために使用することができます。

アダプティブボルテージプロトコル “Vxx”をご存知なら、これは電流クランプの同類で、Sophion Analyzerのユーザーインターフェースでは “Iadapt”と名付けられています。

実験から得られた任意のプロパティのXYプロット

QPatch II では、実験と実験の解析から得られた任意のプロパティを互いにプロットすることができるようになりました。これにより、より効率的にデータを評価することができ、相関関係を見つけるのに役立ちます。

どのプロパティが不要な実験と相関するか、その分析から削除されるべきかを可視化し、検出するのに役立ちます。この知識を利用して、データの偏りがないフィルタリングを最適化することができます。推測してフィルタをON/OFFするよりも、ずっと使い勝手が良いです。

アッセイ実行中のスクリーニングステーションでのライブIT-plot

QPatch II のライブ IT-plot 機能により、実験の進捗をリアルタイムで確認できるようになりました。ライブIT-plot(電流対時間)は、イオンチャネル電流が化合物や電圧プロトコルにどのように反応するかを時間経過とともに表示します。さらに、電圧プロトコルで設定したオンラインカーソルに基づき、スクリーニングステーションの化合物情報とともに、化合物名と濃度がプロットに表示されます。ライブスイーププロットでも同じ情報を見ることができます。

新機能の追加

QPatch II Marsソフトウェアスイートには、さらにいくつかの新機能が搭載されています。

  • スイープ減算機能が拡張され、ベースラインや複数の化合物条件からステッププロトコルの全スイープを減算が可能です。
  • IV-プロトコルで掃引の平均をとることも、液期を繰り返すことも可能です。
  • 液期グルーピンにより、同一化合物を用いたわずかに異なる実験プロトコルを自動的に結合します。
  • Hill fi群のベースラインとフルレスポンスに任意の値を代入します。
  • 最新のクランプ解析手法とすべてのメソッドを標準結果に移し、よりアクセスしやすくなります。
  • リガンドゲート実験において、ピペッティングノイズフィルタを適用することで、スイープの見た目をきれいにすることが可能です。
  • .xlsエクスポートが.xlsxにアップグレードされ、100万行を超える行が表示されます。
  • バックアップに失敗した場合、メール通知します。
  • QPlateの表裏両面の圧力データを、10倍の解像度で表示します。

Sophion Analyzer の機能追加に加え、ソフトウェアメンテナンスを実施し、ユーザーインターフェースの改善を行いました。例えば、出力グレードのグラフに自動スケールバーを表示させることができるようになりました。また、QPatch IIは最新のFesto VTEPシステムに対応し、Oracle 19をサポートしています。

QPatch IIの機能強化により、イオンチャネル研究のアウトプットをさらに高めることができます。QPatch IIと新しいMars Software Suiteについての詳細はこちら:  https://sophion.co.jp/products/qpatch-ll-automated-patch-clamp/

inquiry@sophion.co.jp からアプリケーションサイエンティストのオンラインデモをご予約いただけます。

また、デンマークのコペンハーゲン、アメリカのボストン、日本の東京、中国の上海のラボへもお越しください。