新しいアプリケーションレポートでは、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を使用して低発現細胞を救済し、効率的なAPCアッセイを行う方法について説明します。
Kv1.3イオンチャネルはTリンパ球の活性化を調節し、免疫反応における膜電位とカルシウムシグナル伝達を制御します。調節不全は、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチなどの自己免疫疾患に関連しています。Kv1.3チャネルは癌細胞の増殖と生存においても役割を果たします。したがって、Kv1.3チャネルは、自己免疫疾患と癌の両方の治療における有望なターゲットであると考えられています。
効率的なイオンチャネルアッセイには、一貫性があり、強固で機能的な膜発現が必要です。発現の低いKv1.3細胞株を用いて、Tytoセルソーター(Miltenyi Biotec社製)を使用しKv1.3発現に基づいて細胞を分類し、QPatchアッセイの成功率を大幅に向上させました。
アプリケーションレポートの要約:
- CHO細胞株におけるKv1.3の発現が低いため、QPatch自動パッチクランプ(APC)アッセイの成功率は20%でした。
- この問題を解決するために、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を使用して、Kv1.3イオンチャネルを発現する細胞集団を濃縮しました。
- Kv1.3チャネルに対するPE標識抗体で細胞を染色し、蛍光強度に基づいて分類することで、APCの成功率が80%に向上しました。
- このプロセスは、細胞の生存率、シール形成、チャネルの活動には影響を与えませんでした。
- 全体的に、FACSは低発現細胞株におけるAPCアッセイの結果を大幅に向上させます。