Sophion研究助成金受賞者のDr. Şerife Yerlikayaは、コペンハーゲンにあるSophionの施設で重要な研究を行っています

 

Dr. Şerife Yerlikayaは、Sophion Reserach Grantを活用し、Nav1.7電流に対する化学療法薬の研究を行い、オートパッチクランプ技術を使用することでナトリウムチャネルとがんに関する研究をさらに深化させています

Istanbul Medipol Universityの助教授であるDr. Şerife Yerlikayaは、現在コペンハーゲンのSophionラボにて、当社上級研究員のKim Boddumと共に研究を行っています。

私たちは、コペンハーゲンに滞在中のŞerife氏の研究と目的について対談しました。

Sophionの研究室で取り組んでいる内容について簡単に説明していただけますか?

私たちの目的は、Sophionのハイスループット・オートパッチクランプ技術を使用して、非小細胞肺がんおよび小細胞肺がんで高発現することが知られているNav1.7に対する白金を用いた化学療法薬の作用を明らかにすることです。

あなたが最初にこのイオンチャネル研究の分野に足を踏み入れたきっかけは何だったのですか?

実は全くの好奇心からで、博士論文で乳がん細胞のアポトーシス(プログラムされた細胞死)に対する薬剤の組み合わせの効果について研究したことが始まりでした。私は、睡眠導入剤のひとつがアポトーシスのメカニズムを引き起こし、限定的な毒性のままでトリプルネガティブ乳がん細胞の転移能力を低下させていることを発見しました。それから私は、睡眠導入剤の作用とがん転移の背後にあるメカニズムについて疑問を抱くようになりました。この好奇心から、私は「神経科学」アプローチによってがん転移と従来の化学療法の背後にあるメカニズムを理解しようと試みるようになりました。つまり、イオン輸送タンパク質の研究を始めたのです。これをきっかけに、生体電気とがんについて考えるようになりました。

研究を進める中で、予期せぬ発見はありましたか?

英国York UniversityのWill Brackenburyの研究室でポスドク研究員として研究していたときに、予期せぬ発見がありました。私たちはパクリタキセル化学療法薬の研究に取り組んでいました。パクリタキセルは、高濃度では神経障害、発熱などの副作用があり、患者にとって致命的となる可能性もあります。私たちはパクリタキセルを500 pM(ピコモルは、がん細胞の実験を行うには非常に低い濃度)にすると、トリプルネガティブ乳がん細胞における一過性および持続性のナトリウム電流が減少することを発見しました。そこで、非毒性濃度でがん患者により効果的な可能性がある化学療法薬の転用について考えるようになり、既存の治療法を改善する将来のプロジェクトのアイデアを思いつきました。

克服すべき課題や、習得が必要な技術はありましたか?

私にとって最初の大きな壁は、マニュアルパッチクランプの操作の習得でした(初期の数か月間を思い出すと、今でも涙が出ます)。この複雑な技術の習得は、私にとって大きなステップでした。パッチクランプ電気生理学者であればご存知のことですが、同時に多くの操作をしなければなりません(振動、陽圧の維持、ピペット内の気泡、良好なシールを確保するための課題など)。記録中に誰かが近くを歩き回ったりすると、気が遠くなりそうでした。記録中は世界が止まってほしいと願ったほどです。マニュアルパッチクランプには多くの問題がありますが、私はラッキーで、Brackenburyの研究室で良い装置とスタッフに恵まれました。

2つ目の大きな課題は、電気生理学実験中の溶液の灌流を習得することでした。初めてそのアッセイを見たとき、「パッチクランプでナトリウム電流に対する実験をするのは不可能だ」と思いました。なぜなら高いシール抵抗を得てホールセルを形成してから、ナトリウム電流の記録に物理的な影響を及ぼすことなく、薬物で細胞をウォッシュしなければならないからです。時には、私の精神が打ち砕かれるか、細胞を破壊するか、紙一重の状況でした!

困難なマニュアルパッチ実験に取り組んだことで、オートパッチクランプ技術を用いた新しいアイデア、方法、プロジェクトを思いつくことができました。

  1. 細胞膜と電極をシールする課題を克服し、高品質の記録を実現する
  2. 時間のかかるプロトコルでの作業を排除する
  3. 迅速な薬効試験を実施する
  4. 転移性がんの即時治療戦略を決定する
  5. がん患者に対する化学療法薬の転用を迅速化する (現在進行中である私の研究の最終目標)

 

今後数年間の研究プランは?

私は、オートパッチクランプ技術に研究の焦点を絞り、イオンチャネル研究分野における既存の問題の改善と進歩を目指したいと考えています。この目的のため、革新的な新しいアプリケーションやアッセイの設計・開発も行いたいと思います。

Sophionへようこそ、Şerife さん。当社のResearch Grantによる研究の成功をお祈りしています。

Dr. Şerife Yerlikayaのナトリウムチャネルとがんに関する研究について、詳しくはこちらをご覧ください。

 

新しいアプリケーションレポートでは、Qube 384の穿孔型自動パッチクランプを使用して心臓電気生理学の記録を最適化する方法について説明します

ヒト人工多能性幹細胞由来心筋細胞(hiPSC-CM)は、心疾患モデリングや薬剤スクリーニングに革命をもたらす可能性を秘めています。しかし、生理学的に関連する活動電位(AP)を捕捉することは、特に従来のホールセル(WC)パッチクランプ法では困難でした。WC記録は細胞環境を破壊し、細胞質成分の「洗い流し」によってAP持続時間が短縮されることがよくあります。

穿孔パッチクランプ法を用いれば、電気的アクセスを維持しながら、細胞の完全性を保つことが可能です。WCとは異なり、穿孔法ではナイスタチンなどの薬剤を用いて細胞膜に小さな孔を形成し、重要な細胞質成分を維持しながらイオンの通過を可能にします。この方法を適用することで、SophionのQube 384プラットフォームでのAP記録が大幅に改善され、成功率が最大40%になることが実証されました。

主な利点は?より大きなCa²⁺電流と長いAP持続時間により、心筋細胞の生理機能がより正確に反映されます。実際、穿孔パッチ構成の細胞は、30%再分極(APD30)で活動電位持続時間を示し、WC細胞よりも約60%長くなります。この延長された持続時間により、細胞内のCa²⁺処理が改善され、膜環境がより安定することが明らかになり、穿孔パッチクランプ記録は心臓病の創薬や疾患モデリングにとって非常に貴重なツールとなります。

Qube 384の穿孔パッチ技術は、イオンチャネルの挙動とAPの形態をより明確に観察できる窓を提供することで、心臓電気生理学実験の精度と信頼性を高めるとともに、心血管疾患の研究、安全性薬理学、創薬および薬剤開発に不可欠なハイスループットアッセイを提供します。


 
 
 

Sophionユーザーによる最新四半期出版物の紹介

 
夏が終わり、秋の気配が感じられる今日この頃、Sophionユーザーによる最新の四半期概要をお届けします。第3四半期もまた、イオンチャネル研究においてSophionのプラットフォームは大変忙しい期間でした。
 
多くのテーマが網羅されています。Nav、Kv、Cav、リガンド依存性イオンチャネル、神経疾患、癌、感染症、安全性薬理学から毒物や抗毒素まで、きっとあなたの目を引くものが見つかるでしょう:
 
優れた出版物のリストの中から、さらに貴重で、興味深い展開を3つ紹介します。

  • Harvard大学のBruce Bean教授の研究室のVaelli氏らは、臨床現場で期待され、Nav1.8をターゲットとしたVertex社の疼痛治療薬であるVX-150とVX-548をの特性評価にて、最新の平面パッチプラットフォームを使用した初のQPatch Compact論文を発表しました。論文はこちら
  • 私たちは機械学習(ML)に関するイオンチャネルの論文を待っていました。現在4つが届いています:

1) カリフォルニア大学Davis校のMateos氏らは、VGICの創薬と開発を加速するためにML手法を用いました。論文はこちら
 
2) 米国FDAとの共同研究であるLiu氏らは、hERGブロックを予測するためのMLモデルを開発しました。論文はこちら
 
3) 中国薬科大学(南京)のLi氏らは、ポリファーマコロジー薬、つまり、ある疾患における複数のターゲットを調節することを目的とした薬剤の設計を試みました。論文はこちら
 
4) James Cook大学、フランス国立科学研究センター(CNRS)、Queensland大学の共同研究であるRafaelli氏らは、タンパク質フォールディングMLソフトウェアAlphaFoldとNMRを併用して、予測モデルの改善に必要なデータを提供しました。論文はこちら
 

  • 多剤耐性(MDR)病原体の増加につながる抗菌薬耐性(AMR)の世界的な増加問題を取り上げた2つの論文:

1) Hameed氏ら、Bugworks Research India社、Apconix社、MedChemica社は、広域抗菌薬の臨床候補であるBWC0977を開発しました。論文はこちら
 
2) Genentech社のKofoed氏らは、MDR感染症の治療の改善につながる可能性のある新しい種類の殺菌剤としてGuaB阻害剤を提案しています。論文はこちら
 
この四半期に出版された著者の皆様、ご出版おめでとうございます。
 

 
 
 

ニューロンの謎を解く:新しいアプリケーションレポートでは、hiPSC由来の認知症ニューロンにおいて、イオンチャネル電流とニューロンの興奮性を相関させるアッセイ法を紹介します。

 
ヒト人工多能性幹細胞(hiPSC)は、ヒトニューロンをモデル化する汎用性の高いプラットフォームであり、in vitroモデル用の興奮性ニューロンの生成を可能にします。ニューロンの興奮性やシナプス伝達などの電気生理学的特性を理解するためには、hiPSC由来のニューロンにおける神経細胞イオンチャネルの記録が鍵となります。
 
研究者は、ナトリウム、カリウム、カルシウムなどイオンチャネル電流の動態を捉えることで、健康な神経生理機能を調査できるだけでなく、てんかん、自閉症、神経変性障害などの神経疾患に関連する機能不全を調査することができます。これらのモデルは、疾患のメカニズムを研究し、患者固有の状況で潜在的な治療介入をテストするための貴重なツールを提供します。
 
最新のアプリケーションレポートでは、FUJIFILM Cellular Dynamicsの遺伝子組み換えグラニュリンR493X前頭側頭型認知症(FTD)hiPSCニューロンを使用して、イオンチャネル機能、Kv、Nav、およびAMPA受容体とニューロンの興奮性との相関関係を調査しました。FTD hiPSC由来ニューロンを特徴づけ、健康なhiPSC由来ニューロンと比較するために、一連の電圧および電流クランプ プロトコルを使用したQPatch自動パッチ クランプ アッセイを開発しました。これにより、イオンチャネルの機能と発現がニューロンの興奮性とどのように関連し、FTD関連のニューロン機能障害に寄与しているかを明らかにできる可能性があります。これらの測定により、この神経変性疾患の疾患メカニズム、潜在的な治療ターゲット、および創薬に関する知見が得られます。
 
アプリケーションレポートと関連研究は、Sophion BioscienceがFUJIFILM Cellular Dynamicsと共同で開発しました。
 

 
 
 
 
 
 
 
 

QPatch Compactを用いた初の論文として、Harvard大学医学部のBruce Bean教授の研究室から、VX-150とVX-548がNav1.8イオンチャネルをターゲットとした、疼痛緩和の可能性を示すことが発表されました。

 
QPatch Compactを使用した世界初の論文は、2つの新しい鎮痛化合物、VX-150とVX-548によるNav1.8イオンチャネルの阻害の研究に焦点を当てています。Nav1.8チャネルは、痛みを感知する神経細胞の主要なターゲットであり、痛みに関連した治療にとって極めて重要です。Harvard大学医学部のBruce Bean教授の研究室によって行われたこの研究では、QPatch Compact半自動パッチクランプシステムを使用して電圧クランプ記録を実行し、Nav1.8ナトリウム電流に対するこれらの化合物の影響を分析しました。
 
VX-150とVX-548は、Nav1.8チャネルに対して高い選択性を示す阻害剤であり、VX-548はVX-150よりも高い効力(IC50 0.27nM)を示します。この研究では、著者らが「逆使用依存性」と名付けた、脱分極を繰り返すと阻害が軽減されるという独特な性質が明らかになりました。この挙動は、選択性を維持し副作用を最小限に抑えながら、これらの薬剤が疼痛治療に有効である可能性を示しています。
 
この研究は、より高いスループットと高精度の実験を行うためにQPatch Compactのような自動化システムを使用することの重要性がますます高まっていることを強調しています。これにより、筆頭著者であるPatric Vaelli博士らは、効率的に薬物薬理試験を行い、その特性を明らかにすることができました。この研究は、Nav1.8チャネルをターゲットとした新しい非オピオイド性疼痛治療法の開発に向けた、もう一つの重要なステップとなります。
 
 
 
 
 

新しいアプリケーションレポートでは、海馬ニューロンのハイスループットAPC記録が認知機能障害、精神病、統合失調症の治療改善に有望であることを強調しています

 
Copenhagen大学のKonstantina Bampali博士とSophionのKim Boddum博士は共同で、Qube 384自動パッチクランプ(APC)プラットフォームを使用して、急性単離された一次ニューロンのα5含有GABAA受容体を記録するという大きな進歩を遂げました。
 
この研究結果は、特に認知機能や統合失調症に対する創薬という観点から、GABA作動性活性に対する抗精神病薬の効果を評価するために、天然一次海馬ニューロンを用いることの重要性を強調しています。これまでの研究は、α5含有GABAA受容体を発現するHEK細胞などの異種発現系に依存していました。しかしこの研究は、生理学的環境をより正確に反映し、一次海馬ニューロンにおけるこれらの効果を調べることの価値を強調しています。
 
α5含有GABAA受容体は主に海馬に存在し、認知プロセスにおいて重要な役割を果たしており、統合失調症の病態生理学に関与していると考えられています。一次ニューロンを用いることで、抗精神病薬化合物が本来の環境においてこれらの受容体とどのように相互作用するのかについて、より繊細で複雑な理解が可能となり、認知障害、精神病、統合失調症に対するより効果的な治療法を開発する上で極めて重要な知見が得られます。
 
この研究では、Qube 384 APCテクノロジーを利用して、分離したマウス海馬ニューロンから65%の記録成功率を達成しました。その結果、多くの抗精神病薬がこれらの天然ニューロンにおけるGABA誘導電流を著しく阻害することが明らかとなりました。これは、より生理学的に適切な状況でGABA作動性活性を調節する可能性を反映しています。この阻害は、HEK細胞で発現されたα5β3γ2 GABAA受容体で得られた結果と一致しました。
 
天然海馬ニューロンに焦点を当てることで、この研究は、創薬、特にGABA作動性シグナル伝達への影響を通じて認知機能を調節できる化合物の特定において、より生理学的に適切で信頼できる基盤を提供します。このアプローチは、よりターゲットを絞った効果的な抗精神病薬の開発につながり、統合失調症や認知障害のある患者の転帰が改善される可能性となります。
 

 
 
 

イオンチャネルはどのようにして痛みを説明するのか

 

成人の3人に1人が生活の中で慢性的な痛みを経験し、治療の効果も限られていることから、オピオイド危機が深刻化しています。痛みと慢性的な痛みのバランス、そして痛みの治療方法についての理解することがますます重要になっています。

 

痛覚 – 痛みを感知する身体の仕組み

 
イオンチャネルは、生理学的な痛みの反応と慢性的な痛みの根底にある病態生理学的変化の両方において中心的役割を担っています。細胞膜に埋め込まれたこれらの特殊なタンパク質構造は、細胞膜を通過するナトリウム(Na⁺)、カリウム(K⁺)、カルシウム(Ca2⁺)などのイオンの流れを制御します。このイオンの動きは電気信号を生成し、ニューロンに沿って伝わり、最終的に脳に到達して痛みとして認識されます。
 
Nav1.7、Nav1.8、Nav1.9などの電位依存性ナトリウムチャネルは、痛覚(痛みを感知する身体の仕組み)において極めて重要な役割を果たしています。生理学的条件下では、これらのチャネルは損傷後の疼痛信号の迅速な伝達に寄与します。しかし、慢性疼痛では、これらのチャネルの過剰発現や変異などの病態生理学的変化が起こり、肢端紅痛症(機能獲得型Nav1.7変異)や先天性疼痛不感症(機能喪失型Nav1.7変異)などの症状を引き起こします。同様に、TRP(一過性受容体電位)チャネル、特にTRPV1は、有害な熱や炎症性疼痛の検出に不可欠です。それらの持続的な活性化と過剰反応は、一時的な疼痛反応を慢性状態に移行させ、外部刺激がない場合でも継続的な疼痛信号を持続させます。
 

生理学的痛みから病態生理学的な痛みへ

 
生理学的痛みから病態生理学的痛みへの移行を理解することは、学術的な関心だけではありません。それは臨床的に重大な意味を持っています。慢性疼痛に関与する特定のイオンチャネルを正確に標的とすることで、これらの不適応プロセスを阻止する新たな治療戦略を開発することができます。このようなアプローチは、オピオイドへの依存を減らし、その使用に伴うリスクを最小限に抑えながら、より効果的な疼痛緩和を提供する可能性があります。
 

慢性疼痛治療のためのイオンチャネル調整剤の開発

 
近年の神経生物学と薬理学の進歩により、慢性疼痛の治療に新たな希望をもたらすイオンチャネル調整剤が開発されました。これらの革新的な治療法は、慢性疼痛の根本原因を標的とし、単に症状を覆い隠すのではなく、根本的な病態生理学的メカニズムに対処するものです。より正確で効果的な介入への移行は、神経因性疼痛、片頭痛、がん関連疼痛などの慢性疼痛疾患に苦しむ何百万人もの人々の生活の質を改善することが期待され、疼痛管理における重要な前進を示しています。
 

自動パッチクランプを用いた疼痛研究の進展

 
Sophionの自動パッチクランプ・プラットフォームは、疼痛研究をより迅速に進めることができます。この分野における最近の画期的な進歩の一部を以下に紹介します。これは、急速に発展している疼痛研究分野をナビゲートするのに役立ちます。
 
Yale大学Stephen Waxman教授の研究室は、数十年にわたり疼痛研究の最前線に立ってきました。この研究室の最新の出版物は、痛覚性脊髄後根神経節(DRG)ニューロンからの急性単離、精製、イオンチャネル記録の方法と応用が紹介されています。
 



感覚侵害受容ニューロン経路の正確に変換可能なモデリングは、慢性疼痛の根本的な原因に対する理解を深める鍵となるでしょう。Kalia氏らはAngelika Lampert教授Irina Vetter教授Ted Price教授の研究室とAnatomic Inc.およびSophionとの共同研究により、2つの人工多能性幹細胞(iPSC)感覚ニューロン分化プロトコルを評価しました。
 



電位依存性ナトリウムチャネル(VGSC)ファミリーのメンバーは、疼痛シグナル伝達の重要な扇動者かつ推進者です。次のリンクには、Navイオンチャネルの生理学、薬理学、および創薬における最近の開発の概要が示されており、Nav1.8イオンチャネルをターゲットとする多数のプログラムが紹介されています。
 



疼痛経路におけるイオンチャンネルの複雑な役割の解明が進むにつれて、疼痛治療の将来はますます有望になってきています。この分野での継続的な研究は極めて重要であり、慢性疼痛の理解と治療法に革命をもたらす可能性を秘めています。
 
 
 
 
 
 
 

クモ毒ペプチドからてんかん治療薬を発見

先日、Dr. Daniela Rojas AzofeifaをSophionへお迎えしました。私たちは、Kv7.2/Kv7.3チャネル活性のモジュレーター特定を目指し、クモ毒ペプチドを用いた効率的なスクリーニングのための新しいプロトコルを共同開発しています。これにより、チャネル関連てんかんに関する機能獲得型変異の理解と治療法開発が期待されます。

先日博士号を取得したDaniela Rojas Azofeifaは、現在はオーストラリアのQueensland University 分子生物科学研究所Glenn King教授の研究室でポスドク研究員として在籍しています。Dr. Linda BlomsterとGlenn King教授の指導の下、Danielaの研究はクモ毒ペプチドを使用してKv7.2/Kv7.3チャネル活性のモジュレーターを特定することに焦点を当てており、KCNQ2遺伝子に変異があるてんかんの治療をターゲットとしています。

ヨーロッパ訪問の際に、DanielaはスウェーデンのLinköping Ion Channel Meeting 2024にも参加し、Linköping UniversityでAmaya JauregiとNina Ottossonにも会い、Kv7チャネルの研究におけるプロトコルの開発について学びました。

Danielaの研究について、いくつか質問しました。

Sophionラボへの訪問目的は?

私は、ペプチド・タンパク質科学における革新のためのオーストラリア研究センター(ARC Centre of Excellence for Innovations in Peptide and Protein Science:CIPPS)から能力開発助成金を受けています。今回Sophionデンマーク本社の専門家と協力して、QPatchを用いた実験においてフッ化物を減少させるハイスループットスクリーニングのプロトコル開発を行うことができました。この共同研究により、ペプチドモジュレーターを用いた効率的なスクリーニングを実施することができ、チャネル関連てんかんにおける機能獲得型突然変異の理解と潜在的な治療法の進歩につながりました。

今回のSophionへの訪問と共同研究は、あなたの研究に有用でしたか?

この共同研究で開発しているプロトコルは、Kv7.2/7.3イオンチャネルを研究している方だけでなく、Ca2+依存的にチャネルを活性化するペプチドを研究している方にも役立つでしょう。この新しい標準化されたプロトコルは、研究プロセスを合理化し、イオンチャネル調節のさまざまな分野における理解の進展に貢献すると思います。

Sophionとの共同作業はいかがでしたか?

Sophion のアプリケーション サイエンティストであるNaja Møller Sørensenは、私の訪問計画当初から非常に協力的でした。彼女の、このアッセイ、Sophionのシステム・ソフトウェアについての知識は完璧です。彼女のおかげで、私はオートパッチクランプを用いた生理学実験に習熟し、組織培養についての専門知識を高め、産業界での実務やサイエンス・コミュニティへの関与についての見識を深めることができました。

Daniela Rojas Azofeifaは、Linköping Ion Channel Meetingで、「噛みつきから洞察へ:イオンチャネル研究におけるクモ毒の利用とその治療開発における可能性」と題したポスターで最新の研究結果を発表しました。

新しいアプリケーションレポートでは、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を使用して低発現細胞を救済し、効率的なAPCアッセイを行う方法について説明します。

 
Kv1.3イオンチャネルはTリンパ球の活性化を調節し、免疫反応における膜電位とカルシウムシグナル伝達を制御します。調節不全は、多発性硬化症、乾癬、関節リウマチなどの自己免疫疾患に関連しています。Kv1.3チャネルは癌細胞の増殖と生存においても役割を果たします。したがって、Kv1.3チャネルは、自己免疫疾患と癌の両方の治療における有望なターゲットであると考えられています。
 
効率的なイオンチャネルアッセイには、一貫性があり、強固で機能的な膜発現が必要です。発現の低いKv1.3細胞株を用いて、Tytoセルソーター(Miltenyi Biotec社製)を使用しKv1.3発現に基づいて細胞を分類し、QPatchアッセイの成功率を大幅に向上させました。
 
アプリケーションレポートの要約:

  • CHO細胞株におけるKv1.3の発現が低いため、QPatch自動パッチクランプ(APC)アッセイの成功率は20%でした。
  • この問題を解決するために、蛍光活性化セルソーティング(FACS)を使用して、Kv1.3イオンチャネルを発現する細胞集団を濃縮しました。
  • Kv1.3チャネルに対するPE標識抗体で細胞を染色し、蛍光強度に基づいて分類することで、APCの成功率が80%に向上しました。
  • このプロセスは、細胞の生存率、シール形成、チャネルの活動には影響を与えませんでした。
  • 全体的に、FACSは低発現細胞株におけるAPCアッセイの結果を大幅に向上させます。


 
 

Thais T. JohansenはCEOを退任しますが、取締役およびオーナーとして留任します

 

Thais T. Johansen氏は、Sophion Bioscience A/SのCEOを退任することを決定しました。Sophionの取締役会は、現グローバルセールス担当副社長のMichel K. Jürgens氏を2024年9月1日付けで新CEOに任命しました。Thais T. Johansen氏は引き続きSophionの重要な共同経営者であり取締役を務めます。

 
2021年、Thais T. Johansen氏は、Sophion事業の迅速な進展を可能にするため、Sophionの過半数の株式をVindに売却した際に、2年間ほどCEOとして留任することを約束していました。したがって、このCEOの交代は以前から計画されていました。VindによるSophionへの投資は、Sophionにとってエキサイティングな新しい成長の旅の始まりとなりました。そして今、Thais氏がCEOのバトンをMichel K. Jürgens氏に渡し、私たちはその新たな道のりの大きな一歩を踏み出しています。
 

Sophionをスタートアップ企業から堅実な国際企業へ変革

 
取締役会は、Thais氏の退任という決断を深く尊重し、オーナー兼取締役としてThais氏との協力関係を継続できることを喜ばしく思っています。私たち取締役は、Thais氏の素晴らしい実績に心から感謝しています。彼は、Sophionをスタートアップ企業から健全で堅実な国際企業へと変貌させ、大きな成功を収めました。
 
CEOとしての8年間、Thais氏は大きな情熱を持ってSophionを率い、記録的な財務実績を達成しながら、2桁台の力強い有機的成長を実現しました。2017年には、経営陣の他のメンバーや外部投資家とともにマネジメントバイアウトを完了させました。それ以来、彼はテクノロジーと科学における顧客重視のイノベーションを推進することで、Sophionのビジネスを大きく発展させてきました。彼は、製品開発、国際的なチームワーク、起業家精神、商業上の意思決定において優れた専門知識と経験を発揮してきました。
 

刷新と継続性を両立させる次期CEOの選出

 
取締役会は、Thais氏の後任としてMichel K. Jürgens氏を指名する提案を喜んで採用しました。Michel氏を新CEOとして迎えることができ、大変嬉しく思います。彼は2022年6月にグローバルセールス担当副社長としてSophionに入社し、特にSophionの顧客対応部門の強化と再構築において素晴らしい成果を上げ、グローバル展開の拡大を促進し、ビジネスの成長に合わせて継続的な商業的成功を確実なものにしてきました。
 
Michel氏を新CEOに選んだのは、刷新と継続性を両立させたいという取締役会、主要株主であるThais氏とVindの願いを反映しています。Michel氏は、強力なリーダーシップ、変革を推進する能力、ビジネスセンス、国際的な経験、優れた商業的成果、そしてSophionへの多大な献身を示してきたことから、当然の選択でした。私たちは、Michel氏がCEOという新しい立場でも成功すると確信しており、彼と緊密に協力できることを非常に楽しみにしています。
 
Peter Ehrenheim
取締役会長

Kv7.4に関する新しいアプリケーションレポート – 聴覚、高血圧、神経細胞の調和を支えるイオンチャネルの巨匠

 
Kv7イオンチャネルはKCNQチャネルとしても知られ、神経興奮性、平滑筋の緊張、心臓活動電位の調節に重要な役割を果たしています。Kv7.4チャネルの調節不全は難聴、高血圧、てんかんと関連しており、これらの症状を把握し治療する上で重要なターゲットとなります。
 
この最新のアプリケーションレポートでは、当社のQPatch自動パッチクランププラットフォームを用いた成功率の高いKv7.4アッセイについて説明します。Kv7.4の記録では、典型的な生物物理学(IV曲線)と薬理学(参照活性剤:フルピルチン、ICA 069673、レチガビン、参照阻害剤:リノピルジン、XE 991、ML 252)を示しており、人間の生理学および病態生理学(加齢性難聴、てんかんなど)における重要な役割を調査するための強固で一貫性のあるアッセイツールを提供します。

「Kv7.4イオンチャネルは、聴覚機能、血管平滑筋の緊張、神経興奮性の調節に不可欠です。」
— Sophion Bioscience A/S シニア研究科学者 Kim Boddum

 

 
 

Sophionは、若手研究者に研究助成金および海外渡航費助成金を提供しています

Sophionは若手研究者を対象にサポートプログラムを展開しています。来月の研究助成・海外渡航費助成への応募チャンスをお見逃しなく!

学生(修士課程もしくは博士課程)または若手研究者(学士/修士/博士課程修了後5年以内)が対象です。イオンチャネルまたはその関連分野の研究に携わり、SophionのIon Channel Modulation Symposiumで研究成果を発表したいと考えている方。また、Sophionシステム(QPatch Compact、QPatch II、Qube384)のデータを用いて、国際学会で研究発表を計画されている方。ぜひ海外渡航費助成金に応募してください。

また、Sophionの研究助成により、大学院での研究やキャリア初期の研究が飛躍的に進むかもしれません。このプログラムでは、Sophionのプラットフォームと世界中の専門家にアクセスすることができます。Sophionの研究助成は、研究における新たな発見や、ラボでの予算申請にお役に立つ可能性があります。

6月にケンブリッジで開催されるICMS UK 2024に参加するため、Sophionから海外渡航費助成を受けたRonewa Nematsweraniさんは、最新の研究成果のポスター発表を行い、多くの研究者・専門家と交流しました。あなたの研究を進めるために、Sophionの助成金をご活用ください。Sophionのオートパッチクランプシステムは、研究をより迅速かつ発展させるための一助となります。このチャンスを同僚や共同研究者にも共有ください。

 

次回のSophion ICMS (Ion Channel Modulation Symposium) はボストンのHarvard Medical Schoolで開催されます

今年の米国におけるSophion ICMS (Ion Channel Modulation Symposium) は、2024年10月23日から24日までHarvard Medical Schoolで開催されます。ぜひご参加ください。 – お席に余裕があるうちに今すぐお申し込みください。シンポジウムは例年早期に満席となります。


Sophionは、世界各国の研究者・専門家が集い、意見交換し、最新の知見とイオンチャネルの新たな可能性を共有する場を提供しています。基調講演とポスター発表を見逃せません。将来の共同研究のためのネットワーキングの機会としてもご活用ください。

日程: 2024年10月23日〜24日
ICMS US 2024 – 詳細と登録はこちら

QPatch・Qubeユーザーによるイオンチャネル関連論文:2024年第2四半期

QPatch・Qubeは多様な研究に幅広くお使いいただいていることから、研究発表も多彩です。本年第2四半期には、16件が公表され、イオンチャネルはNav、Kv、AMPA、GABA、nAChR、chloride、疾患領域 としては疼痛、癌、神経障害、自己免疫疾患、心臓安全性、毒、抗菌といった幅広い分野をカバーしています。

論文の多様性は、そのままイオンチャネル研究の多様性・有用性意味しています。ここでは以下3件をご紹介します。

  • 蛇咬傷毒の中和に関するDTUとの長年の共同研究の最新の成果として、Benard-Valleらは、サンゴヘビ毒の主要成分を中和し、マウス中毒モデルにおける生存時間を延長するナノボディのオリゴクローナル混合物を開発しました。論文の詳細はこちら
  • ヒトiPS細胞由来の末梢感覚ニューロンの開発は、疼痛経路の変形とモデルの改善に向けて新たな一歩を踏み出しました。Angelika Lampert、Irina Vetter、Ted Priceによる主要な疼痛研究室が協力し、SophionおよびAnatomic社と協力して iPS細胞 分化方法の特性を明らかにしました。論文の詳細はこちら
  • 住友ファーマは、疼痛トランスレーショナルモデルから疼痛治療薬の発見へと移行し、疼痛受容性末梢感覚ニューロンの3つの主要なナトリウムチャネルであるNav1.7、Nav1.8、Nav1.9の新しい阻害剤を開発しました。これまでも現在も、鎮痛薬はこれら3つの経路のうちの1つを標的とする傾向がありましたが、住友ファーマは、3つを阻害することで鎮痛効果が向上することを期待しています。論文の詳細はこちら

事例紹介: Qube 384による研究ワークフローの最適化 – クリニックでの治療に寄与

神経障害性疼痛に苦しむ人々の治療に対する反応は大きく異なるため、臨床研究の多くは成功に至っていません。患者にとって効果のある治療法が見つかるまで、何年もの「試行錯誤」が必要となることもよくあります。「このことは患者にとってマイナスなだけではなく、患者と医師との関係にも悪影響を及ぼします」とRalf Hausmann氏は説明します。「そのため、私たちは薬物がイオンチャネルにどのように作用するのか、また、変異していないチャネルと変異したチャネルに違いがあるのかを調べています」

「私たちは、電位依存性ナトリウムチャネルであるNav1.7とNav1.8における変異の変化を研究しています。これらのチャネル電流は非常に小さく、感度の高いアンプが必要です。」とAngelika Lampert氏は説明します。「通常、私たちは、非常に小さなガラスピペットを用いたマニュアルパッチクランプ法と呼ばれる電気生理学実験により、細胞を1つずつ測定し、電流が流れるかどうか、また、流れた電流の特性をチェックします」

これは有効なプロセスですが、非常に時間がかかります。「突然変異の機能を本当に理解するためには、多くの細胞を観察し、多くの測定を行う必要があります。」とAngelika Lampert氏は言います。

「プロセスをスピードアップするには、より高い処理能力と、同時に多くの記録を行う機能が必要でした。これが、パッチクランプロボットに興味を持った理由です」
— Angelika Lampert、University 、Principal investigator at Uniklinik RWTH Aachen

Precision2Treatプロジェクトの目標は、そのコンセプトの有効性を証明することです。iPSC由来の感覚ニューロンとQubeを用いて承認済みの医薬品をスクリーニングすることで、細胞の興奮性を低下させる可能性の高い化合物を特定できると、私たちの研究チームは期待しています。

現在もチームは必要に応じてマニュアルパッチクランプ法を使用していますが、Qubeはより多くの可能性をもたらし、マニュアルパッチでは不可能だったハイスループットの医薬品スクリーニングを可能にしています。「以前は、患者の変異体や電圧センサーに局在するナトリウムチャネルの変異を観察し、その特性をマニュアルパッチクランプで分析していました」とRalf Hausmann氏は説明します。「しかし今では、典型的なチャネル特性のほとんどを分析するプロトコルをまとめて実行することができるのです。」

ケンブリッジのClare CollegeでのICMS UK 2024は今年も盛会に終了しました

今年2回目のSophionのICMS (Ion Channel Modulation Symposium) が開催されました。 例年通り、このイベントは満席となりました。イオンチャネルについての活発な議論、ハイレベルな講演、インスピレーションに満ちたポスター発表、そして多くの新たな交流を生んだ刺激的な2日間を、参加者全員が楽しみました。

「Sophionが主催する2日間のこのシンポジウムでは、参加者にさまざまなチャネルを多角的な観点 (薬理学、生理学、様々な考察に触れ、私の研究室の学生たちも感銘を受けました。多彩なコンテンツとホスピタリティにより、活気と多様性に満ちた、意義深いミーティングとなっており、これに勝るイベントはなかなかないと思います。」
— 
Prof. Iain Greenwood, St George’s, University of London

ICMS UK 2024にご協力くださった皆様に感謝申し上げます。また、今年のケンブリッジのイベントをスポンサーとしてサポートしていただいたB’SYS GmbHMetrion BiosciencesMaxCyteScientificaにも心より感謝申し上げます。

次回のSophion ICMS (Ion Channel Modulation Symposium) は、2024年10月23〜24日に米国ボストンのHarvard Universityで開催されます。


  

  

  

  

  

神経変性の治療に、いつの日が毒が使用されるだろうか?

University of QueenslandにあるIMBのオートパッチクランプ施設で共有されているQPatchは、2012年の導入以来、複数のイオンチャネル研究グループに利用されてきました。50報以上の論文が発表され、彼らの研究は新たな分野を開拓し、毒性ペプチドやそれらのイオンチャネルモジュレーション研究において世界をリードしてきました。

来週、英国ケンブリッジのICMSで行われるDr. Fernanda Cardosoの講演に先立ち、彼女の研究室の毒に関する研究と、それが運動ニューロン変性における新たな研究につながった経緯について話を聞きました。

運動ニューロン変性研究を始めたきっかけは何だったのでしょうか?

多くの人々を苦しめている神経変性疾患の治療薬が緊急に必要であると強く感じていて、それが私を研究に向かわせています。2015年にUQで開催された会議で、神経変性の伝達経路の解明や治療薬の開発にイオンチャネルモジュレーターを使用するうえで、大きな研究上のギャップがあると気づかされました。それから数年後、共同研究の機会も得て、自分の仮説を検証するために運動ニューロン変性に的を絞りました。

神経変性に関する研究を進める中で、予期せぬ発見や興味深い事柄・エピソードなどはありましたか?

興味深いことに、Lewis研究所で慢性疼痛の研究を行っていた際には標的から大きく外れていたものが、今では神経変性を食い止めるための主な標的となっています。 毒性ペプチドがこの標的をモジュレートする方法を深く研究した結果、そのスキルを新しいプログラムに転用できることに気づき、それが見事に機能しているのです。

克服すべき課題や、習得が必要な技術はありましたか?

私たちは、目的達成のために多くの難題に取り組んでいます。全身性の副作用を伴わずにイオンチャネルモジュレーターの治療効果を最大限に引き出すため、中枢神経系に限定したデリバリー戦略を開発しています。また、in vitro、ex vivo、in vivoのスクリーニングを並行して行うことで、初期段階からペプチド候補がin vivoで良好な結果を出すことを確認しています。 主な課題のひとつは、げっ歯類モデルにおけるex vivo電気生理学実験のスループットを向上させることです。これは、医薬品開発プロセスにおいて極めて重要な実験であり、今後のin vitro実験の指針となるものです。 私たちは力を合わせて、画期的な治療法への道を切り開いています。

先生方の論文で示されている技術の幅広さは目を見張るものがあり、学際的な研究が実り多いものであることを示す素晴らしい実例です。これはIMBが推進していることなのでしょうか、それとも、先生方が努力して開発してきたことなのでしょうか?

学際的研究のために強固な専門家ネットワークを構築するには、努力が必要です。私の研究では、中枢神経系の電気生理学、運動ニューロン変性のゼブラフィッシュ前臨床モデル、そして臨床研究の専門家と協力し、多くの助言をいただいています。この素晴らしい協力ネットワークは、IMBの外ではありますが、University of Queensland内のものです。協力し合うことで、難題を克服し画期的な成果を得られると考えています。

今後数年間でのラボの研究の方向性は?

数年のうちに神経変性疾患に苦しむ方々に大きな利益をもたらす革新的な研究成果を得ることを目指しています。 高度な毒ベースの薬剤開発プラットフォームにより新しい治療法を開発し、戦略的かつ革新的な薬物送達システムを用いることで大きな進歩が得られるでしょう。 私たちは協力して、助けを必要とする人々のために明るく健康的な未来を創り出します。

南半球という地理的位置が、独立心と開拓者精神をもたらしているのでしょうか(皆さんが非常に生産的で、常に革新的な新しい分野の研究に取り組んでいることから、そのように思えます)。地理的に、共同研究や資金調達などが困難であると感じますか?

10年近く私の指導教官であったRichard Lewis教授をはじめとしたイオンチャネルと毒性ペプチドの分野の優れた研究者たちの影響で、私も開拓者精神に突き動かされ研究を続けています。南半球では共同研究や資金調達に制限があるにもかかわらず、私の新しい神経変性プログラムは、オーストラリアではなく米国政府から十分な資金援助を受けています。

オーストラリアにも素晴らしい共同研究者の先生方がいるものの、私の研究を革新的な領域へと押し進めるには、国際的なネットワークが不可欠でした。だからこそ、私は近く開催されるケンブリッジでのICMSをとても楽しみにしています。ネットワークをさらに広げ、研究における新たな境地を開拓し続けたいと思っています。

Dr. Fernanda Cardoso、ご研究についき詳しくお話しいただきありがとうございます。ケンブリッジで開催されるICMS UK 2024でのご講演「Probing ion channels on motor pathways sheds light on pathophysiological mechanisms and key drug targets in motor neurodegeneration(運動経路のイオンチャネルの徹底研究が運動神経変性における病態生理学的メカニズムと主要な薬剤ターゲットに光を当てる)」を楽しみにしています。


残念ながら、このイベントは満席です。参加できない方もご安心ください。シンポジウム終了後、講演の録画を当社ウェブサイトにて公開いたします。

ICMS(Ion Channel Modulation Symposium)Japan 2024は盛会に終了しました

今年、東京大学で開催されたSophion Ion Channel Modulation Symposium (ICMS) は大盛況となりました。会場の使用許諾をくださいました東京大学に感謝いたします。農学部の美しい会場は大変好評でした。

ICMS Japan 2024では、アジア全域と欧米の研究者が一堂に会し、活発な議論を行い、共同研究を促進させ、Ion channel modulationに関する最新の知見を共有しました。

ICMS Japan 2024の開催にあたり、ご協力くださったすべての方々に感謝いたします。

次回のSophion ICMSは、2024年6月21日〜22日にイギリスのケンブリッジで開催されます。ICMSイベントの詳細については、こちらをご覧ください。

  

  

  

  

  

B’SYS社が高品質で信頼性の高い細胞株を提供するために、自動パッチクランプ技術がどのように重要な役割を果たしているのか。

B’SYS社は、スイスに拠点を置く、イオンチャネル創薬のための細胞培養と生物医学研究アプリケーションというニッチな分野に特化した受託研究機関です。Sophion Bioscienceの自動パッチクランプ技術は、B’SYS社にとって重要な役割を担っているのです。

同社初のQPatchは2009年に導入され、現在B’SYS社のラボで4台のQPatchが稼動しています。長年にわたり協力関係は拡大し、現在SophionはB’SYS社の多数の細胞株を販売しています。

細胞株の開発にかかる具体的な期間は、その複雑さによってすべてが決まります。組織の大きさとスピードは必ずしも一致しないことをB’SYSのチームは何度も証明してきました。大切なことは、正しい設定と知識を持つことです。「細胞株の生産において、特に検証や顧客の期待に応えるために、多くの時間と労力が必要です。B’SYSでは、このような細胞株を作るためのエコシステムを構築しているのです。」とDaniel Konrad氏は言います。

B’SYSのチームは、Sophionの装置操作に精通しており、細胞培養に関する専門的な知識も持つため、機器と細胞の両方を並行した最適化にベストな環境といえます。今後、Sophionでは、QPatchの効果を最大限発揮させるために細胞株の培養方法など、細胞株を扱う際のガイダンスを提供し、B’SYSがその知識を直接顧客に伝えていただけるよう対応していきます。

 

 

 

QPatch IIの新機能「Adaptive Current Clamp」に関するSophionウェビナーをぜひご覧ください。

QPatch IIの最新ソフトウェアリリースでは、新たに独自のAdaptive Current Clamp(ACC)機能を搭載しました。

SophionのACC技術をQPatchに搭載することで、より正確でタイトな活動電位の記録を行うことができます。これは、複数の細胞を並行して記録する自動パッチクランププラットフォームで、イオンチャネルを研究する際に有効です。

先日、Sophion BioscienceのMads P.G. KorsgaardKim Boddumの2人の専門研究者が、自動パッチクランププラットフォームで、ACCを使用し、個々の細胞の生理的な静止膜電位をリアルタイムで調査・維持できることを示す共同発表を行いました。

ACCの詳細については、下記をクリックしてウェビナー録画にアクセスしてください。(視聴時間約30分)

Metrion Biosciences社とQube 384で開発したKv1.3電流クランプアッセイ

自動パッチクランプのエキスパートMetrion BiosciencesのシニアサイエンティストであるStefano Stabilini氏と当社SophionのアプリケーションサイエンティストであるBeatrice Badoneが共同で、Qube 384でのカレントクランプアッセイを開発しました。このアッセイでは、Kv1.3チャネルに対する化合物をカレントクランプモードでスクリーニングすることにより、カリウムチャネルの変化による直接的な影響を膜電圧の変化という観点から測定することができます。

Metrion Biosciencesの創薬担当ディレクターであるEddy Stevens博士は、この膜電圧測定(例えば、静止膜電位(RMP))は、チャネル電流活性の変換であり、化合物が細胞膜をどれだけ興奮させたかを定義するものである、と考えています。

したがって、Kv1.3に影響を及ぼす化合物について、Qubeカレントクランプアッセイにより、Kv1.3阻害剤の創薬が可能となります。この阻害剤は、エフェクターメモリーT細胞(TEM)の過分極化した興奮性の低い細胞膜に機能的に変換されます。これは、自己免疫疾患(乾癬など)で過剰活性を引き起こすことが確認されています。

新しいKv1.3アッセイのアプリケーションレポート全文はこちらからご覧ください。

ウェビナー開催された「New patch clamp assays to advance pain research」をご覧になりましたか?

先日開催されたウェビナーでは、疼痛シグナル伝達、特に慢性疼痛疾患の背景にあるイオンチャネルの役割に関する貴重な知見を共有しました。視聴を見逃した方、もう一度ご覧になりたい方は、こちらの録画をぜひご覧ください。

内容としては、まず、Sophion 米国支社でScientific Sales を担当するDaniel Sauterが、疼痛ターゲットである代表的なイオンチャネルを、モデルとなる細胞に組換え発現させた実験の概要と、疼痛研究におけるiPSC由来のDRGニューロンの活用について簡単に紹介しています。
そして、Yale大学医学部の神経科学者であるReza Ghovanlo博士からは、単離直後のDRGニューロンから電流記録を行った画期的な研究が発表されています。

以下より、「疼痛研究におけるパッチクランプアッセイ」について詳しく紹介した、本ウェビナーの動画をご覧いただけます。(視聴時間:約1時間30分)

ヒトの人工抗体を用いたヘビ咬傷治療薬を発見

ヘビの毒は、世界中で多くの命を奪っており、治療法の改善が求められています。最近の研究では、優れた安全性と高い中和能力を提供することにより、現在の血漿由来の抗毒素よりも優れた利点を持ち、広範に中和するヒトモノクローナル抗体を発見し最適化しています。

毎年約6万人がヘビに噛まれ亡くなっています。世界保健機関(WHO)は、2030年までにヘビ咬傷による死亡率を半減させるという目標を掲げています。 最近の研究では、広範な中和能を有するヒトモノクローナル抗体の開発を目指し、さまざまな種類のIgGが数種の蛇の毒素を中和する可能性を示しています。このような発見は、ヘビ咬傷に対する新規で広範な中和作用を持つ抗毒素の設計を可能にするために、極めて重要な次のステップです。

「ヘビ由来の長鎖α神経毒に対し、広範に中和するヒトモノクローナル抗体の発見と最適化」を題する新しい論文が「Nature Communications」に掲載されまたした。こちらよりご覧いただくことができます。

論文用のデータ作成には、QPatchとQube 384の両システムが使用されています。SophionのSenior Research ScientistであるKim Boddumは、当社のプラットフォームで行われた研究を、こちらの動画で紹介しています。

IONTAS、DTU(デンマーク工科大学)、UCR(コスタリカ大学)、ETH Zürich、Sophion Bioscienceと素晴らしいコラボレーションが実現しました。

高分子と生物について詳しく知りたいですか?

現在、承認された医薬品の 90% 以上は低分子ですが、高分子 (>1.000 Da、生物製剤としても知られています)は、創薬における注目度と重要性が急速に高まっています。現在では、世界の医薬品売上トップ10の大半を占めています。

大きな分子は、その作用機序により注目を集めており、多くの場合、小さな分子薬よりも大きな標的特異性と効力を達成しています。しかし、高価であること、希少であること、多反応性(粘着性)があることなどの欠点があります。さらに、三次元構造が機能の鍵であるため、環境に対してより敏感であり、共有結合以外の弱い相互作用に依存しています。

高分子と自動パッチクランプの詳細については、こちらをご覧ください。

どうすれば、より多くの女性が科学の世界で主導的な地位を占めるようになるのでしょうか?

Sophion Bioscienceのイノベーション・新技術開発部長、Sandra Wilsonにお話を伺いました。どうすれば、より多くの女性が科学の世界で主導的な立場に立つことができるのでしょうか?科学に興味を持ったきっかけから、Sophion Bioscienceでリーダーとして活躍するまでのストーリーをお聞きしました。

まず、サンドラさんご自身のことを少し教えていただけますか?

私はスコットランド人とカナダ人のハーフですが、11歳のときから国際的な生活を送ってきましたので、人生には多くのグローバルな文脈を持っていると言えるでしょう。私はとても好奇心旺盛で、常に学び、物事を突き詰め、新しいことに挑戦しています。そのため、旅行をする機会や人との出会いも多くあります。

理系の仕事に就きたいと思ったのはいつ頃ですか? 

高校では、デザイン&テクノロジーのOレベルを取得し、金属、特に鋳物を扱うことが好きでした。何を勉強しようかと考えるまで、科学的な職業に就きたいということが明確ではありませんでしたが、すでにフランス語が流暢に話せたので、語学にも関わる実用的なものがいいと思いました。IT、フランス語、スペイン語を学ぶために入学しましたが、ギャップイヤーを取り、カナダに戻って働きながらカルガリーで冬季オリンピックを観戦したことで山が気に入り、カナダに留まることにしました。物理、化学、力学、数学というコアサイエンスを多く含み、その複雑さは果てしなく、特に後の段階で生物学を追加したとき、私は勉強する方向に舵を切ったのでした。

現在に至るまで、どのような道のりだったのでしょうか?

これまでのキャリアを振り返ってみると、国際的な企業、プロジェクト、チームと一緒に仕事をしてきたことがよくわかります。それぞれの国には、独自の特色と課題への取り組み方があり、そこには多くのギフトがあります。また、勉強と仕事を同時に進めたことも大きな成果です。仕事の経験は、次にどのようなインパクトを与えたいかを明確にすることに役立ちましたし、現在取り組んでいる勉強においても、そのインパクトを達成するためのサポートになっています。進学は一度にする必要はありません。その過程で実務経験を積むことを強くお勧めします。国際的なキャリアを積むことは、ある種の強靭さ、そして間違いなく素晴らしいネットワークを築くことになります。私は、エンジニア、科学者、サイエンティフィックマネージャーとして成長し続けることで、電気通信、宇宙、健康など、幅広い分野で働く機会を得られたことは、とても光栄に思っています。

科学の世界では、主要な地位に女性が占める割合は十分ではありません。それは問題だと思いますか?

科学の世界では、主要な地位に女性がまだ少ないので、それを改善するために力を注ぐ必要があると思います。例えば、WiLDプログラム(Women in Life Science Denmark, www.womeninlifescience.dk)やCyberMentor(www.cybermentor.ca)などのメンタリングプログラムなどを通じてです。

一般的に、学術的なものであれ商業的なものであれ、科学において、女性は非常に多くの価値と知識をもたらし、チームをまとめ、より効率的な方法で結果を生み出すのに役立つ協調的なスキルを備えています。科学は、取り組むのが難しい分野です。成果を得ることは保証されていませんし、常に未知なるものを解明していかなければなりません。科学の世界では、積極性や自信と優秀さがイコールであるという誤解がまだあるように思います。私は、それが持続可能だとは思いません。シャイで自信のない一部の優秀な科学者を阻害するおそれがあります。良い科学とは、優しさと包容力を持つことで達成できるのです。

Sophion Bioscienceでのあなたの役割を教えてください。

Sophionでは本当に楽しく仕事をしています。ソフトウェア開発チームからハードウェア、消耗品、生産、技術サポート、そして幅広い生物学の知識まで、多様なスキルを持った素晴らしい仲間たちと一緒に仕事ができるのです。さらに、アカデミアや研究機関、企業との素晴らしいコラボレーションもあります。私の仕事は将来を見据えたものなので、あまり多くを語ることはできませんが、Sophionは大きく成長しており、それはエキサイティングなことが起き、新しい製品が登場することを物語っています。基本的には、Sophion Bioscienceという会社の戦略的目標をサポートするための技術開発と科学的共同研究、そしてそれに付随するすべてのことをターゲットとしています。

大学や研究所など、外部の機関と連携しているのですね。なぜですか?

デンマークや海外の大学や研究機関とのコラボレーションは、顧客であるという理由だけでなく、研究者がその分野の専門家であるということが重要です。彼らは重要な問題を提起し、実にクールでエキサイティングな方法を開発し、アイデアやスキルをもたらしてくれます。彼らは非常に複雑な健康科学の問題を対象としているので、Sophionに素晴らしい相乗効果をもたらします。このようなコラボレーションは、チームに刺激を与え、より優れた新製品を作ること、つまり最終的には病気の解明と治療に役立つ優れた科学ツールを作ることへの挑戦になるのです。これは、キャリアを積む上でとても重要なことだと思います。

あなたは、女性や男性の早期のキャリアを指導することが重要だと考えています。なぜですか?

スカウトの中で、リーダーシップ、エンジニアリングやサイエンスのキャリアに関心を持つ女子高生を指導するカナダのプログラム「サイバーメンター」、または偶然出会った人たちとの非公式な交流など、私のキャリアを通じて指導することは重要なことでした。信頼できるアドバイザーからのフィードバック、ミラーリング、そして優しいチャレンジは、私が何を達成したいかを明確にし、そこに到達するための道筋を描くことに大いに役立ちました。

つい最近、私はSparkプログラムに参加しました。これはスタンフォード大学で始まったプログラムですが、デンマークでは新しいプログラムです。(https://sparkdenmark.ku.dk/)このプログラムでは、学術研究者がその素晴らしい発明をさらに商業化するために、ある程度の資金と、より重要な個別指導を提供しています。どのような形であれ、指導を受け、与えることは、自分の可能性を追求する上で非常に重要なことであり、また、とても楽しいことだと思います。

女性が科学界の主要な地位に就くことが少ないのは、どのように説明するのでしょうか?

私のキャリアが始まった頃と比べると、今はSTEAMのキャリアを持つ女性がたくさんいるので、それは良いことです。しかし、そうした主要な立場になるにはまだギャップがあり、私たちはその解決に向けて積極的に取り組む必要があります。女性がリーダーの地位を求めていないとは思いません。チャンスと適切なサポートがあれば飛びつくだろうと思います。しかし、そのリーダーには、女性が声を上げ、テーブルに着く機会を積極的に作り出す責任もあるのです。

Sandra、あなたのストーリーを共有し、今日の科学における男女平等を最前線へ導くためにサポートしてくれてありがとう。

QPatch IIの新しいソフトウェアリリースを公開

このプラットフォームの最新ソフトウェアアップグレードである QPatch II Mars にアップグレードすることで、お使いの QPatch II システムの利点を最大限に活かすことができます。

QPatch II Marsは、ユーザーや社内の研究者から多大な意見をもとに開発された様々な新機能を搭載しています。QPatch II Marsソフトウェアの機能のハイライトは以下の通りです。

アダプティブカレントクランプ

電流クランプ(CC)により、イオンチャネルが細胞膜電位をどのように設定し、神経細胞や心筋細胞で活動電位などをどのように発生させるかを記録することができます。自動パッチクランプでこのような生理学的反応を調べるには、各細胞を個別に扱えることが望ましいのですが、QPatch II ではこれが可能になりました。Adaptive CCは、「Vxx」機能をベースに構築されており、固有の電流値を自動的に測定して各細胞に適用します。各細胞を個別に調査し、オンラインで解析し、自動的に個別の電流注入にさらすことができます。このような個別の電流注入は、適切な静止膜電位を取得し、QPlate全体でより均一な活動電位を呼び出すために使用することができます。

アダプティブボルテージプロトコル “Vxx”をご存知なら、これは電流クランプの同類で、Sophion Analyzerのユーザーインターフェースでは “Iadapt”と名付けられています。

実験から得られた任意のプロパティのXYプロット

QPatch II では、実験と実験の解析から得られた任意のプロパティを互いにプロットすることができるようになりました。これにより、より効率的にデータを評価することができ、相関関係を見つけるのに役立ちます。

どのプロパティが不要な実験と相関するか、その分析から削除されるべきかを可視化し、検出するのに役立ちます。この知識を利用して、データの偏りがないフィルタリングを最適化することができます。推測してフィルタをON/OFFするよりも、ずっと使い勝手が良いです。

アッセイ実行中のスクリーニングステーションでのライブIT-plot

QPatch II のライブ IT-plot 機能により、実験の進捗をリアルタイムで確認できるようになりました。ライブIT-plot(電流対時間)は、イオンチャネル電流が化合物や電圧プロトコルにどのように反応するかを時間経過とともに表示します。さらに、電圧プロトコルで設定したオンラインカーソルに基づき、スクリーニングステーションの化合物情報とともに、化合物名と濃度がプロットに表示されます。ライブスイーププロットでも同じ情報を見ることができます。

新機能の追加

QPatch II Marsソフトウェアスイートには、さらにいくつかの新機能が搭載されています。

  • スイープ減算機能が拡張され、ベースラインや複数の化合物条件からステッププロトコルの全スイープを減算が可能です。
  • IV-プロトコルで掃引の平均をとることも、液期を繰り返すことも可能です。
  • 液期グルーピンにより、同一化合物を用いたわずかに異なる実験プロトコルを自動的に結合します。
  • Hill fi群のベースラインとフルレスポンスに任意の値を代入します。
  • 最新のクランプ解析手法とすべてのメソッドを標準結果に移し、よりアクセスしやすくなります。
  • リガンドゲート実験において、ピペッティングノイズフィルタを適用することで、スイープの見た目をきれいにすることが可能です。
  • .xlsエクスポートが.xlsxにアップグレードされ、100万行を超える行が表示されます。
  • バックアップに失敗した場合、メール通知します。
  • QPlateの表裏両面の圧力データを、10倍の解像度で表示します。

Sophion Analyzer の機能追加に加え、ソフトウェアメンテナンスを実施し、ユーザーインターフェースの改善を行いました。例えば、出力グレードのグラフに自動スケールバーを表示させることができるようになりました。また、QPatch IIは最新のFesto VTEPシステムに対応し、Oracle 19をサポートしています。

QPatch IIの機能強化により、イオンチャネル研究のアウトプットをさらに高めることができます。QPatch IIと新しいMars Software Suiteについての詳細はこちら:  https://sophion.co.jp/products/qpatch-ll-automated-patch-clamp/

inquiry@sophion.co.jp からアプリケーションサイエンティストのオンラインデモをご予約いただけます。

また、デンマークのコペンハーゲン、アメリカのボストン、日本の東京、中国の上海のラボへもお越しください。

世界初:Yale大学がQube による後根神経節(DRG)の初代培養ニューロンからのハイスループットなイオンチャネル記録を実現

米国Yale大学の研究者が画期的な研究成果を発表しました。Stephen Waxman教授の研究室に所属するReza Ghovanloo博士らは、DRG侵害受容ニューロンに関する極めて貴重な記録手法を、スループットが非常に低いマニュアルパッチクランプからQubeを用いたハイスループット・オートパッチクランプへ移行させることに成功しました。

この方法は、疼痛伝達経路ニューロンから得られるデータの量と質を一変させ、痛覚の生理学に非常に貴重な知見をもたらすでしょう。

研究者の声をご紹介します。

「この実証研究では、ハイスループット・オートパッチクランプの技術を、DRGニューロンの研究に適用しました。これは、高い多様性を示す神経細胞モデルであり、これまでに満たされていなかった世界的な医療ニーズである疼痛に関する研究に適合するものです。さらに、このアプローチは他の興奮性細胞の研究にも適用可能です。」

「この結果は、ハイスループット・プラットフォーム(Qube 384)において、単離したばかりの神経細胞のパッチクランプ解析が実現可能であることを示しています。このアプローチにより組織採取直後に単離されたばかりの神経細胞を用い、ブラインド化され、無作為で、同時かつ包括的なハイスループット電位固定解析が可能になります。さらに、同一ニューロンにおいて、電位固定状態からそのまますぐに電流固定へ切り替える解析をハイスループットで実施することができます。この方法は、単離されたばかりで状態の良い神経細胞内にある様々なタイプのイオンチャネルや受容体を対象とするハイスループットな生理学および薬理学的研究の基礎となり得るものです。」

この貴重な論文発表に際し、Reza Ghovanloo、Sidharth Tyagi、Peng Zhao、Emre Kiziltug、Mark Estacion、Sulayman D. Dib-Hajj、Stephen G. Waxmanの各氏へ心よりお祝い申し上げます。

論文の全文はこちらからご覧ください。

Sophion Bioscienceでは、若手研究者を対象とした研究助成金および海外渡航旅費助成金の利用者を募集します。

Sophion Bioscienceでは、若手研究者を対象とした研究助成金および海外渡航旅費助成金の利用者を2月に募集開始します。若手研究者の方々、この機会に助成金を利用してみませんか。

助成対象者は、修士もしくは博士課程在籍中の学生、もしくは学士/修士/博士課程修了後5年以内の若手研究者です。これには2つのパターンがあります。一つは、イオンチャネルまたはその関連分野の研究成果をSophion主催のイオンチャネルモジュレーションシンポジウムにて発表するための渡航費用をサポートします。もう一つは、QPatch IIやQube384を用いて取得したデータを使った研究成果を、任意の国際学会・シンポジウム・Sophionユーザーミーティングにて発表するための渡航費用をサポートします。ぜひこの機会にSophion Travel Grantへの応募をご検討ください。

 

次に研究助成についてです。この研究助成に応募することで、大学院における研究活動や立ち上げ初期のラボにおける研究が飛躍的に進むかもしれません。このプログラムでは世界中に点在するSophionラボに一定期間滞在し、ラボにあるSophionのオートパッチクランプ装置を用いて実験を行うための費用をサポートします。Sophionの研究者からのサポートも受けることができます。Sophion Research Grantがあなたの学位論文のコアとなる発見をするためのチケットとなるかもしれません。研究室の基盤を固める大きな研究助成獲得につながるデータを得ることができるかもしれません。

さらに詳しい募集要項や申込書は、こちらをご参照ください。

自動パッチクランプによるiPS細胞のイオンチャネルレコーディングの開発

人工多能性幹細胞(iPSC)技術は、ここ数年、細胞の分化・成熟を向上させながら発展してきました。培養と取り扱いの改良により、自動パッチクランプ(APC)によるiPS細胞のイオンチャネルレコーディングは、バイオメディカル研究において、「成人」モデルの分化細胞がとても有用なものとなり、動物組織の使用量を減らす効果とともに、人間の生理学と疾患の定義においてトランスレーショナルなものとなっています。

2022年以降、Sophionサイエンティスト、共同研究者、そして当社プラットフォームのユーザーは、このiPS細胞およびAPC革命の最前線にいます。私たちの共同研究の様子はこちらでご覧いただけます。

ウェビナー

Mike Hendrickson (BrainXell) & Daniel SauterによるiPSC運動ニューロン:

Liz Buttermore (Human Neuron Core, Boston Children’s Hospital) & Kadla RosholmによるiPSC皮質ニューロンの研究:

Will Seibertz (University Medical Center Göttingen) & Kadla RosholmによるiPSC 心筋細胞の研究:

レビュー論文

人工多能性幹細胞と自動パッチクランプによるタイムトラベルの冒険と進歩。Rosholm et al., Frontiers Mol. Neurosci.、2022年:閲覧

Sophionの自動パッチクランププラットフォームで行われる研究や幹細胞についてもっと知りたいと思いませんか?
ここでは、関連する出版物のリストを集めました。

ハーバード大学医学部のBruce BeanとClifford Woolfの研究室がQPatch Compactを導入

Sophionの新しいセミオートパッチクランプシステム「QPatch Compact」によるベータテスト期間を経て、ハーバード大学医学部Blavatnik研究所のBruce BeanとClifford Woolf研究室およびボストン小児病院のF.M. Kirby Neurobiology CenterがQPatch Compactの導入を決定しました。

QPatch Compactの導入には、今まで手動で行っていたパッチクランプアッセイの「スケールアップ」が必要であったことと複数の薬剤を単一の細胞に高速かつ柔軟に適用できるQPatch Compactの性能という2つの要因が影響しました。QPatch Compactは、20年以上に渡るQPatch IとQPatch IIで実証された技術を利用しています。

Bruce Beanは次のようにコメントしています。「QPatch Compactは、数マイクロリットルの溶液をピペッティングするだけで瞬時に溶液を適用できるため、実験中に任意の順序で溶液を交換できる点が優れています。柔軟な溶液処理能力は、迅速な用量反応決定に最適です。また、わずか数マイクロリットルの溶液で完全な溶液交換ができることは、高価な毒素を扱う実験に特に有用です。」

こちらのグループでは、QPatch Compactを使用して、さまざまな電位依存性イオンチャネルの薬理学を調査し、痛みの治療に役立つ新しい非オピオイド化合物の生成にフォーカスを当てています。

この装置は、Bruce Bean、Patric Vaelli、Akie Fujita、Bear Zhang、Sooyeon Jo、Tomas Osorno、Rasheen Powellなど、経験豊富な電気生理学者のコアグループによって運営されます。

Blavatnik研究所について: ハーバード大学医学部のBlavatnik研究所は、HMS Dean George Q. Daleyが率いる世界トップクラスの教授達が、基礎研究および応用生物医学研究を通して人類の健康において最大の問題点を解決することを目指しています。生物化学・分子薬理学、生物医学情報学、細胞生物学、遺伝学、グローバルヘルス・社会医学、医療政策、免疫学、微生物学、神経生物学、幹細胞・再生生物学、システム生物学を含む11の基礎部門と社会科学部門で構成されHMSクアドラングルにある科学事業の独自性を反映しています。こちらの研究所は、ハーバード大学医学部のためにBlavatnik Family財団が行った重要な取り組みが評価され、2018年11月に命名されました。

Bruce Bean博士について: Bean博士は、ハーバード大学医学部の神経生物学Robert Winthrop教授です。彼はイオン チャネルがニューロンと心筋の興奮性を制御する仕組み関する研究で知られる生理学者です。Beanは1979 年にロチェスター大学で生物物理学の博士号を取得し、イエール大学医学部で博士研究員として、Richard W.Tsienと共に心臓電気生理学の研究に従事しました。現職のハーバード大学医学部の他に、アイオワ大学、オレゴン健康科学大学Vollum研究所に勤務した経験もあります。

Clifford Woolf医学博士について: Woolf博士は、ボストン小児病院のF.M. Kirby神経生物学センターと神経生物学プログラムのディレクターを務めています。南アフリカのヨハネスブルグにあるウィットウォーターズランド大学で修士号と博士号を取得した後、ロンドン大学で神経生物学の教授を務めました。Woolfはハーバード大学医学部のRichard J Kitz麻酔研究所の初代所長としてボストンに移り、マサチューセッツ総合病院の麻酔・重症患者部門を拠点に神経可塑性研究グループを立ち上げました。また、ハーバード大学幹細胞研究所およびハーバード大学医学部神経生物学教室の教授をでもあります。

 

QPatch Compactのスタートアップを支援する新しいビデオチュートリアル

QPatch Compactの新規ユーザー向けに、QPatch Compactで平面パッチクランプ実験を始めるために役立つ5つの新しいビデオチュートリアルを作成しました。また、QPatch Compactサポートサイトでは、安全に関する説明、テストプロトコルを含むユーザーマニュアル、トラブルシューティングガイドにアクセスすることができます。

 

 

 

QPatch IIが、リンシェーピン大学の新たなコア施設に最適なインフラストラクチャとなりました。

リンショーピン大学では、ハイスループット自動パッチクランプシステムQPatch IIにより、てんかんの新薬研究が加速し、イオンチャネル研究のための国立学術コア施設の建設許可を得ることができました。

リンショーピン大学の神経生物学部門は、最新のパッチクランプシステムであるQPatch IIによる新たな可能性を素早く見出しました。このチームでは、電気生理学研究室で従来の手動装置を用いて、1日に1つの化合物を1つのイオンチャネルでテストすることが通常の手法でした。Sophion Bioscienceの自動パッチクランプシステムQPatch IIが登場したことにより、その手法が一気に変わりました。

 

 

リンショーピン大学では、QPatch IIを利用して、てんかんの新薬研究をさらに進歩させることにフォーカスを合わせています。また、自動化されたパッチクランプ実験の利用範囲を広げ、スウェーデンの臨床医、電気物理学者、薬理学者が集まるコア施設になることを大いに期待しています。

全文はこちらからダウンロードできます。

ICMS 2022 UKを振り返って

過去5年間に開催された、すべてのSophion主催 ICMS(Ion Channel Modulation Symposium)に参加している方も少なくありません。
以下の動画(約4分)をご覧いただきましたら、リピーターになる理由がおわかりになるでしょう。

 

Sophion Bioscienceでは、若手研究者を対象とした研究助成金および海外渡航旅費助成金の利用者を募集しています。

9月が応募のチャンスです!

助成対象者は、修士もしくは博士課程在籍中の学生、もしくは学士/修士/博士課程修了後5年以内の若手研究者です。
まずは海外渡航旅費助成について、これには2つのパターンがあります。一つは、イオンチャネルまたはその関連分野の研究成果をSophion主催のイオンチャネルモジュレーションシンポジウムにて発表するための渡航費用をサポートします。もう一つは、QPatch IIやQube384を用いて取得したデータを使った研究成果を、任意の国際学会・シンポジウム・Sophionユーザーミーティングにて発表するための渡航費用をサポートします。ぜひこの機会にSophion Travel Grantへの応募をご検討下さい。

次に研究助成についてです。この研究助成に応募することで、大学院における研究活動や立ち上げ初期のラボにおける研究が飛躍的に進むかもしれません。このプログラムでは世界中に点在するSophionラボに一定期間滞在し、ラボにあるSophionのオートパッチクランプ装置を用いて実験を行うための費用をサポートします。Sophionの研究者からのサポートも受けることができます。Sophion Research Grantがあなたの学位論文のコアとなる発見をするためのチケットとなるかもしれません。研究室の基盤を固める大きな研究助成獲得につながるデータを得ることができるかもしれません。

さらに詳しい募集要項や申込書は、こちらをご参照下さい。

APCの幹細胞記録に関する最新研究成果レビュー

Sophionが執筆した多能性幹細胞およびAPCのレビューでは、バイオメディカル研究においてhiPSCが、安全薬理学、創薬、個別化医療へ利用される大きな期待を示しています。

 

 

Sophion BioscienceのKadla Røskva Rosholmと研究員達は、ゲッティンゲン大学のNiels Voigt教授および科学者のFitzwilliam Seibertzと共同で、ハイスループットAPCにより発展したhiPSC技術とその応用に関する幅広いレビューを執筆しています。

 

 

 

こちらの図は、1つの測定用QPlateから採取した10個のhiPSC-心筋細胞電流クランプ記録におけるペーシング活動電位を示しています。拡張された活動電位は、典型的なAP特性測定値である、閾値電位(Vt)、ピーク電位(Vp)、過分極電位(Vh)、90%再分極時の活動電位持続時間(APD90)を示しています。

オープンアクセス論文の全文はこちらからご覧いただけます。

QPatch IIを利用して22℃と35℃のhERG記録に成功しました

イオンチャネル実験を行う場合、温度は考慮すべき重要な環境要因です。今回の新しいアプリケーションレポートでは、心筋活動電位の主要な構成要素であるhERGイオンチャネル電流のコンダクタンス、キネティクス、薬理学を22℃と35℃の環境で記録しました。

 

 

他の生理的プロセスと同様に、イオンチャネルの活性化と薬理作用は温度に大きく依存します。哺乳類の体温(~35℃)でイオンチャネルの記録を行う場合でも、単に一定の室温(RT)で記録を行う場合でも、温度を正確に制御することが不可欠です。ラボの日中や季節による微気候の影響を受けずに、すべてを記録することは簡単ではありません。温度管理は、記録場所を常温に設定することです。常温とは、実際のラボの室温18~27℃ではなく、常に22℃で一定になるよう管理し、正確に記録・報告することを意味しています。

Sophionのプラットフォームにおける温度制御について詳しい情報は、こちらをご覧ください。

5/19に開催されたAPCとiPSCに関する第2回ウェビナーをご覧になりましたか?

iPSCの研究は、創薬に大きな期待が寄せられています。Sophionの自動パッチ技術により、CDKL5の機能が失われた神経細胞で起こる機能変化を読み解くことができるようになりました。

5/19のウェビナーでは、ボストン小児病院のElizabeth Buttermore氏とSophion BioscienceのKadla Røskva Rosholmが、CDKL5欠損症iPSC由来神経細胞、分子、電気生理的特性に関する最新の研究成果を共同で発表しました。

世界各国から、多くの視聴者が参加し、関心の高さがうかがえました。

下のリンクから今回のウェビナーをご覧ください

トロント大学、デンマーク工科大学、およびSophion Bioscienceがコブラトキシンの中和抗体に関する共同論文を発表

ヘビ咬傷は、世界で最も貧しい地域に暮らす人々に広がる、顧みられない熱帯病(World Health Organisation, 2017)に指定されました。

さらに、Sophionでは、コブラの毒に含まれるα-コブラトキシンを中和する次世代モノクローナル抗体の開発と特性評価に取り組んできました。この抗体は、トロント大学とTechnical デンマーク工科大学の共同研究者により、ファージディスプレイ法によって発見・開発されました。この抗体のニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)イオンチャネルに対するin vitroの機能的中和効果をQPatch IIで測定しました。

Protein Scienceに掲載された論文はこちらからご覧いただけます。

 

 

 

 

 

上位2つによるIgGのin vitro中和効力は、全細胞パッチクランプ法による電気生理学的測定によって評価が行われました。精製されたα-CTxによるACh依存性電流の遮断は、ブロッキングIgGの連続希釈により毒素をプレインキュベーションすることで逆転しました。シグナルは完全な反応に対して正規化されました。(α-CTxおよびIgGがない場合)

高分子Wntシグナル伝達経路の活性化にフォーカスした新規アプリケーションレポート

英国Kings College LondonのDr. Aamir Ahmedと共同執筆した新しいアプリケーションレポートでは、脆弱で希少なWntタンパク質を使用した自動パッチクランプ(APC)を記録しています。Wnt 9B、5Aおよび10Bは、いずれもPC3細胞のイオンチャネル電流を活性化することが示されました。

 

 

Wingless-related integration site (Wnt)は、分泌されたシグナル伝達タンパク質(350〜400アミノ酸、35〜45 kDa)の多様なファミリーで構成され、近距離シグナル伝達分子として機能します。Wntシグナルの活性化は、真核細胞において複雑な下流シグナルカスケードを開始し、癌を含む多くの疾患発症に大きな影響を与えます。

タンパク質の処理を徹底的に最適化することで、脆弱で希少なWntタンパク質のパッチクランプ記録を手動と自動の両方で得ることが可能になりました。

APC試験用に最適化されたWntタンパク質の処理について、他の高分子(ペプチド毒素、ナノボディ、抗体など)にも適用可能な点を強調しています。

Wntシグナル(および他の高分子)に関するすべての論文と資料は、こちらからご覧いただけます。

自動パッチクランプを使用した高分子特性評価

自動パッチクランプ装置は、長年にわたり、高分子イオンチャネル研究の自動化のために使用されてきました。自動パッチクランプを使用して高分子スクリーニングや特性評価を実施できることは、効率的な創薬研究を行うための重要な要素になります。

 

 

現在、承認されている医薬品の90%以上は低分子化合物の研究によるものですが、高分子化合物の研究も急速に進んでいます。高分子薬剤研究の重要性は高まっており、世界の売り上げトップ10の医薬品の大半を占めています。

高分子薬剤はその作用機序から、低分子薬剤よりも優れた標的特異性と効能を発揮することが多く、より注目されています。

QubeやQPatchなどSophionの装置を使用した多彩な高分子とイオンチャネル研究についてはこちらをクリック

シンガポールの南洋理工大学がQPatchに関する2つの論文を発表しました

Seow Theng Ong博士、George Chandy博士、そしてそのA*STARとシンガポールの南洋理工大学の仲間達が、当社のQPatchソリューションを使用したイオンチャネルと免疫学の研究成果に関するする2つの論文を発表しました。

4つの大陸にまたがる様々な領域の共同研究において、彼らはNature Microbiology誌へQPatchを使用した単球免疫細胞のKCNJ15/Kir4.2イオンチャネル記録に関する論文を発表しています。この研究は、結核の感染とクリアランスに関して、私たちの理解を深めるものとなっています。論文の詳細はこちらからご覧頂けます。

もう1つの論文では、Kv1.3毒素ペプチドアナログダラザタイド(ShK-186)が結合した状態と結合しない状態におけるKv1.3イオンチャネルのクライオ電子顕微鏡法の構造を作り出しました。Kv1.3イオンチャネルは免疫T細胞の活性化において重要な要素であり、ダラザタイドで免疫T細胞をブロックすることで自己免疫疾患(乾癬など)に見られる過剰な活動を抑制することができます。PNASにて発表された論文はこちらからご覧頂けます。

QPatch IIによる心筋細胞活動電位記録に大きな一歩

ゲッチンゲン大学のNiels Voigt教授とFitzwilliam Seibertz氏、そして弊社研究員であるKadla Røskva Rosholmによる共同研究にて、人工多能性幹細胞(iPS細胞)の成熟と記録というハードルを乗り越える大きな一歩を踏み出しました。

Voigt研究室では、培養と誘導技術の改善により、安定して「成熟した」ヒトiPS細胞由来の心筋細胞を作製しています。この細胞成熟技術の進展とQPatch IIによる電流クランプ記録という技術の進歩と相まって、高品質な記録と高い成功率へつながりました。

活動電位の記録は、フッ化物やカルシウムといった「シール強化」溶液を使用せず、QPatch IIを用いて生理的リンガー液中で行われました。弊社の自動パッチクランプ開発が素早く効率的なデータ生成を提供し、iPS細胞由来心筋細胞の生物物理学的かつ薬理学的特性評価をより正確なものにします。

この共同研究データが先日Biophysical Society会議にて発表されました。詳しくはこちら

学生・若手研究者向けSophion Travel & Research Grantsの募集案内

Sophionでは若手研究者に対する新たな助成金2種(海外渡航旅費助成金および研究助成金)を募集しています。助成対象者は、修士もしくは博士課程在籍中の学生、もしくは学士/修士/博士課程修了後5年以内の若手研究者です。

まずは海外渡航旅費助成について、これには2つのパターンがあります。一つは、イオンチャネルまたはその関連分野の研究成果をSophion主催のイオンチャネルモジュレーションシンポジウムにて発表するための渡航費用をサポートします。もう一つは、QPatch IIやQube384を用いて取得したデータを使った研究成果を、任意の国際学会・シンポジウム・Sophionユーザーミーティングにて発表するための渡航費用をサポートします。ぜひこの機会にSophion Travel Grantへの応募をご検討下さい。

次に研究助成についてです。この研究助成に応募することで、大学院における研究活動や立ち上げ初期のラボにおける研究が飛躍的に進むかもしれません。このプログラムでは世界中に点在するSophionラボに一定期間滞在し、ラボにあるSophionのオートパッチクランプ装置を用いて実験を行うための費用をサポートします。Sophionの研究者からのサポートも受けることができます。Sophion Research Grantがあなたの学位論文のコアとなる発見をするためのチケットとなるかもしれません。研究室の基盤を固める大きな研究助成獲得につながるデータを得ることができるかもしれません。

さらに詳しい募集要項や申込書は、こちらをご参照下さい。

USAボストンのSLASでQPatch Compactを展示紹介

QPatch Compactでは、信頼性の高いパッチクランプデータが得られます。また、最大8つまでの個別実験を同時に実行することができます。
パッチクランプが初めての方でも30分で操作を覚えることができ、経験者であればコンセントを差し込むだけでマイクロマニプレーターの誤差も、電極を塩化する必要もなく、堅牢なQPatch Compactの機能を体験することができます。
詳しくはこちらから

オンラインセミナー (録画配信) : オートパッチと高分子

抗体、毒素、ペプチドといった高分子は、イオンチャネル研究や創薬の分野で急成長しており、世の中に新しいアイディアやモダリティをもたらしています。

現在までのところ、低分子化合物による電位依存性Naチャネル(Nav)への介入は、臨床ではほとんど成功していません。これは主に、標的外作用を最小化する高いサブタイプ選択肢を持つ化合物開発が困難であるためです。いくつかの毒素は個々のNavサブタイプに対して高い活性と特異性を持つため、チャネルの構造や機能を明らかにするための研究ツールとして広く使われています。しかし、これらの毒素がすべての科学的な問いに答えているわけではなく、実際に研究されているのはごく一部の動物毒に過ぎません。

このオンラインセミナーでは、Steve Trim氏(Venomtech)とJuha Kammonen氏(Charles River Laboratories)が、Qube(384ウェルハイスループットオートパッチクランプ装置)を用いた、Nav1.4およびNav1.7に対するヘビ毒分画ライブラリースクリーニングについての共同研究成果について発表しています。また、弊社のKim Boddumが高分子におけるSophionの活動について説明しています。

 

イエール大学のWaxmanラボがQube 384を使用した初めての論文を発表しました

Stephen Waxman博士がイエール大学のラボにQube 384とQPatch IIを導入してから約一年、Qubeを使用した初めての論文を発表しました。

Julie Labau氏が牽引したこの論文は、慢性疼痛の治療に使われる抗てんかん薬ラコサイドのNav1.7結合部位やメカニズムの研究について詳しく説明したものです。

これは数ある論文のうち、Waxmanラボから初めてSophionの自動パッチクランププラットホームで実施された論文となります。この他にも、Waxmanラボでは高度な先進技術や画期的なアッセイと研究フィールドの推進を進めている様子であり、今後の新たなニュースに期待しています。

Julie Labau氏とWaxmanラボおよびこの論文に携わったマーストリヒト大学とミラノ大学の共同研究者の方々へ感謝いたします。

論文についてはこちらからご覧いただけます。

QPatch llによる生理的溶液を用いたhiPSC心筋細胞記録

人工多能性幹細胞(iPS細胞) 技術によって疾患発病メカニズムの研究や心安全性評価に新たなプラットフォームがもたらされ、心血管系研究に画期的な新しい機会が生まれています。

hiPSC心筋細胞から安定したAPC記録をとることは、細胞品質の低さ(バッチ間の大きなばらつき)や細胞採取純度の低さ、細胞成熟度の不安定さから、難しいとされています。

このレポートでは、生理的溶液内でhiPSC心筋の実験を最大50%の成功率で実施できることを示しています。さらに、最大20%の成功率で周期的な活動電位の記録が可能であることも実証しています。

このレポートの全文はこちらから。

このデータは、ドイツのUniversity Medical Center GöttingenのNiels Voigt博士とそのグループとの共同研究の一環として得られたものです。

心臓イオンチャネル電気生理学の最先端にたつSophion

心臓イオンチャネルは、心拍を生み出す心活動電位の生成や維持に不可欠です。そのため、新規薬剤承認時における新規化学物質(NCEs)の心臓イオンチャネル安全性評価は薬剤開発研究において重要な項目です。

Sophionの研究者が心臓イオンチャネル分野へ新たな2つの論文を発表しました。

1つ目は、Sophion東京ラボ(本庄早稲田)の鶴留一也・大城博矩・和泉拓が、東邦大学との共同研究において、心臓イオンチャネルパネルに対するOseltamivirの抗心房細動作用に関するデータをQubeを用いて取得しました。

2つ目は、心臓安全性薬理学者として多くの経験を持つBernard Fermini博士とDamian Bellとの共著による、自動パッチクランプ装置(APC)のレビュー、最新の機能開発状況、そして医薬品開発における心安全性評価にAPCがどのように用いられ、どのように変化をもたらしているかについて取り上げています。

2つの論文についてはこちらから

心臓イオンチャネルとQube/QPatchについて詳しくはこちらから

5つの心臓病イオンチャネル電位に効果するOseltamivir – Kambayashi及びその他著書から複製された記述、Frontiers in Pharmacology, 2021

自動パッチクランプを使った高分子薬剤研究と幹細胞(hiPSC)由来のニューロンレコーディングに関するSociety for Neuroscience

世界の精神科学者が集うSociety for Neuroscience年次総会が、今週11月8日〜11日、Web開催されます。(プレビューデーは11月3日〜7日)

私たちも例年通り参加します。

Sophionの研究者である Beatrice BadoneとKim Boddum、およびElaine Duncan(CRL and Uni Glasgow)が、SfNにおいてビデオ動画による最新の研究を紹介します。

高分子とAPC

Elaine DuncanVenomtech Ltdとの協業によるCharles River Laboratoriesプロジェクトについては、ビデオ動画(01) をご覧ください。SophionのQube384で分画された毒素ライブラリーをスクリーニングすることで、新たな選択的ナトリウムチャネルモジュレータを特定しました。ポスターセッションライブは11月9日(火)の14:45 GMTから。

また、別のビデオ動画 (05) では、Kim Boddumがヘビの毒素を中和する組換えモノクロナール抗体(mAbs)について紹介します。ポスターセッションライブは11月11日の16:00 GMTから。

どちらの研究でも、自動パッチクランプが高分子薬剤研究の一助を担っています。

 

幹細胞とAPC

APCにおける幹細胞に興味がある方は、Beatrice Badoneビデオ動画 (P937.01) をご視聴ください。Beatriceが、電位開口型 (NaV, KV) およびリガンド作動性(GABAA)イオンチャネル研究にAPCシステムQPatchとQube384の使用について、2つの異なるブレインモデル ( i 実験マウスの脳からの1次ニューロンとアストロサイト分離性および ii ) hiPSC由来の運動ニューロンの比較しながら説明します。ポスターセッションライブは11月11日の16:00 GMTから。

 

ライブ動画のご視聴はこちらから。なお、ご視聴には参加登録が必要となります。

高分子と自動パッチクランプ:Qube 384を用いたスコーピオン・トキシンのBKチャネル阻害作用試験

現在、認証済み医薬品の90%以上は低分子ですが、医薬品研究において高分子(1,000 Da以上、生物学的製剤として知られる)の注目度と重要性が急速に高まり、すでに世界で販売されている医薬品トップ10の多くを占めています。高分子は、その作用様式に注目が集まり、ときに低分子よりも高い標的特異性や効能を得ることができます。

自動パッチクランプ(APC)システムは、低分子の医薬品研究と特性評価に過去20年間も使用されてきました。一方で、高分子の特性評価にAPCシステムが使用されることはほとんどありませんでした。しかし、Sophionのシステムは、ペプチド、毒性、Knotbody、抗体などの高分子の特性評価に対応することができます。

この新たなアプリケーションレポートでは、Qube 384が高分子の薬理学的計測に十分適応していることを証明しており、マイクロ流路を用いた少液量の適用で抗体や毒性といった高価で希少な分子を効果的に評価しています。

QubeでBKチャネルに対するChTxの作用を評価したところ、文献値と一致した抑制作用を示すことができました。また、抑制作用の時間推移は濃度依存的であり、QChipのマイクロ流路構造のおかげで観察することができました。QChipのマイクロ流路構造により、実験に必要な薬液量は1濃度あたり18μL程と少量で済むため、希少で高価な化合物の試験を実施することが可能です。詳しくはこちらのレポートをご覧ください。

Leiurus quinquestriatus hebraeus also known as the death stalker.
Photo credit: Arie van der Meijden / University of Porto

扱いにくいCRACチャネルもQubeとQPatchを使えば大丈夫

カルシウム放出依存性カルシウム(CRAC)イオンチャネル電流(ICRAC)は、多くの病気の治療に重要な役割を果たします。自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、糖尿病、炎症性腸疾患、乾癬、マスト細胞症など)、転移性乳がん、心血管・脳血管失火、ウイルス感染症などの治療に対して化合物調整ICRACが開発され、今後は移植拒絶反応の防止にも役立つと考えられています。

もっとも先進的なCRAC薬剤研究プログラムのひとつは、CalciMedica社によって行われています。Auxora混合物は、膵炎と新型コロナウイルス感染症(COVID-19)など様々な疾患の臨床試験に使用されています。
これらのチャネルを自動パッチクランプ(APC)で効率的に記録することは有効です。しかし、APCプラットフォームには、高濃度カルシウムやフッ化物を含む「シールエンハンサー」溶液なしでの記録が難しく、これらイオンがICRACの記録に問題を起こします。

このようなAPCでは扱いにくいチャネルに着目し、Sophionの研究者はQPatchとQubeで問題となるカルシウムやフッ化物を使うことなくICRACを記録することに成功しました。

CRACチャネルと効率的なAPC記録に関する詳しい情報と出版物については、こちらをクリックしてください。

TRPチャネル、ノーベル賞と自動パッチクランプ

今年のノーベル生理学・医学賞受賞者の画期的な発見で、暑さ・寒さや外部からの力など、私たち人間を取り巻く環境を認知・適応するため、神経インパルスがどのように働くのか、理解できるようになりました。
今年の受賞者について、詳しくはこちら、

私たちは、イオンチャネルの分野で活躍している方々が今年も受賞されたことを大変うれしく思います。

TRPチャネルは、人間が温度を感知するために重要な役割を果たしています。また、神経障害や炎症性疼痛の神経経路を含む痛覚においても重大な機能です。ピエゾチャネルは、人間に触覚や位置感覚、体の各部の動きを感じ取る機能(固有受容性感覚)をもたらします。

もちろん、私たちはこれらのイオンチャネルについて何年も研究を積み重ねてきました。Sophionの研究は、現時点でノーベル賞の受賞には至りませんが、私たちのシステムが生命に重要な膜タンパク質機能のさらなる究明に貢献できていることを誇りに思っています。

今年のノーベル賞受賞者の方々に対し祝意を表し、TRPチャネルについてもっと知りたい方々のために、過去の Sophion ICMSシンポジウムからTRPをテーマにしたICMSビデオ動画を集めました、モーニングコーヒーを飲むような気分でお気軽にご覧ください。さらに深く知りたい方は、以下の論文審査のある出版物、アプリケーションレポートやポスターの一覧をご覧ください。

また、QPatch IIやQube 384で新しいアッセイを実施したい、既存のアッセイを最適にしたいなどのご要望がありましたら、私たちSophionのApplication Scientist(ノーベル賞受賞も間近な?)へお問い合わせください。

 

出版物

アプリケーションレポートおよびポスター

  • Jensen 2008. TRPM8 tested on QPatch. Sophion Application Report.
  • Jacobsen et al., 2011. TRPV1 tested on QPatch. Sophion Application Report.
  • Jensen 2012. TRPM8 cold-sensitive ion channels tested on QPatch. Sophion Application Report
  • Jacobsen et al. 2010. TRP’ing in multi-hole mode. Poster Biophysics 2010.
  • Chakrabarti et al., 2019. In vitro inflammatory knee pain: Of Mice and Men.

Sophion ICMS ビデオ動画:

リンショーピング大学にて QPatch IIを使用した てんかん の研究

リンショーピング大学のFredrik Elinder教授は、新たに導入したQPatch IIを使用した てんかん研究の加速ついて、 このように述べました。
「通常なら1年かかる研究作業が一週間ほどで完了…このQPatch IIは私たちを新たな領域へ導いてくれる。」

リンショーピング大学ニュースとのインタビューで、Elinder教授とNina Ottosson博士は、彼らの研究所で新たに導入したQPatch IIについて語りました。彼らはQPatch IIを使用して松脂酸誘導体の特性を素早く、効率的に分類し、てんかんを治癒するhuKv7.2/7.3(M-電流)イオンチャネルの改良型オープナーの発見と開発することを目指しています。彼らは、スウェーデン国内の学術界イオンチャネルコミュニティーで、支援や開発に利用できるコア自動パッチクランプを共有利用できる施設の計画についても議論しました。

この度は、QPatch IIをご導入いただき、ありがとうございました。Sophion一同から感謝申し上げます。引き続き、リンショーピング大学のイオンチャネル研究をサポートさせていただきます。

Nina Ottosson氏の研究について、こちらの動画からもご覧いただけます。

Sophion Academy – How to Video チュートリアル

Sophionでは、ユーザーの皆様に直接お会いしてサポートさせていただくことが最も望ましいと考えていますが、お客様と私たち双方にとって、お手軽で効率的・実用的な方法として、ビデオチュートリアルをご紹介させていただくことがあります。
これらチュートリアルは、メンテナンスやデータ解析において一般的な事象を多くカバーしています。

時には休息を必要とする弊社のアプリケーションサイエンティストやフィールドサービスエンジニアとは異なり、
このチュートリアルは超人に近い存在です。(たまには休憩が必要な時もありますが・・・)
24時間・365日いつでも利用可能です。

QPatchにおけるBed-of-Nailsの清掃方法、デバッグファイルを保存、APCの性能やデータの掘り下げ、Sophion Analyzerによるgrouped Hill fitsなどのデータ解析ブラッシュアップなど、
様々なニーズにお応えします。

ビデオチュートリアルはこちらをご確認ください。
また、追加コースやトレーニングもご確認いただけます。

QPatch IIを利用したiPS心筋細胞の記録:50%の成功率

人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術により、病因のメカニズム研究や心臓血管薬の安全性評価へ新たなプラットフォームが設けられ、心筋細胞研究に対する可能性が広がりました。

自動パッチクランプ(APC)によるアッセイでは、薬剤開発においてヒトiPS細胞由来の心筋細胞(hiPSC CMs)が薬物毒性試験と同様に、確実で再現性のあるAPCアッセイ不足により阻まれてきました。これにより、hIPSC CM APCアッセイの幅広い利用は未だ達成されていません。しかし、これら重要性を理解しているため、私たちはヒトhiPSC CMsを活用した作業効率的へ向け、サンプルの準備とアッセイの最適化に専念してきました。

Cav、NavおよびhERG電流そして活動電位も同様に記録することができました。初期の実験では50%の成功率を達成し、さらには薬理学を含む困難で複雑な長時間の実験に挑みました。成功率は低下しましたが、有用な決定的データを取得することができました。

以下に、Cav1.2電流と活動電位データのピーク例を紹介します。データはドイツのゲッチンゲン大学メディカルセンター Niels Voigt教授とグループの共同研究の一環として得られました。

図1:生理学的リンゲル液内でAPCQPatch II)によるhiPSC由来心筋細胞(hiPSC CMs)内のCav1.2電流研究。左:成功した実験(黒)と電圧依存Ca2+Cav)電流によるCMsICav < -100 pA、グレー)で48箇所の実験サイト成功率パーセンテージ。エラーバーはNQPlates = 3SD。中央:代表的Ca2+電流軌跡が電圧ステップの範囲(-40+60 mV)に渡って誘発され、10 µM ニフェジピン追加の前(黒)と後(赤)。右:10 µM ニフェジピン追加の前(黒)と後(赤)の電圧機能とするCav電流密度。データポイントはNCells = 28AVG ± SD

図2:生理学的リンゲル液内でAPCQPatch II)によるhiPSC由来心筋細胞(hiPSC CMs)内のペース付けした活動電位の計測。左上:成功した実験(黒)とペース付けした活動電位によるCMs(グレー)で48箇所の実験サイト成功率パーセンテージ。エラーバーはNQPlates = 2SD。右上:iPSC CMsに記録された自発的活動電位の例。左下:ペース付けした活動電位によるCMsの平均的な静止膜電位(RMP)。エラーバーはNCells = 7SD。中央下:10 µM ニフェジピン追加の前(黒)と後(赤)にペース付けした活動電位。右下:10 µM ニフェジピン追加の前(黒)と後(赤)の90%APD90)を計算、プロットした。エラーバーはNCells = 7SD

 

実用実験の報告は後ほど。乞うご期待。

Sophion、DTU、コスタリカ大学、IONTASの共同研究による、 画期的な抗生物質についての論文発表

Sophion、DTUコスタリカ大学IONTASの産学連携による抗生物質の研究開発において、コブラの毒を中和するモノクローナル抗体が発見・開発されました。

SophionのKim Boddum氏は、QPatchを使用して、標的神経細胞であるα7ニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)に対する毒素の中和抗体効果を示しました。

この研究は、高分子治療法開発における自動パッチクランプの素晴らしい例となりました。

ヘビなどによる毒物は世界の最貧地域で壊滅的な影響がありながら、製薬会社に見過ごされてきました。
そのため、Sophionはこの研究に貢献できたこと、薬剤の将来を見据えた取り組みができたことをとても誇りに思っています。
結果として、2017年にWHOでは蛇咬症を「無視されてきた熱帯病」に指定しました。

筆頭著者であるLine Ledsgaard氏、Andreas Laustsen氏、Aneesh Karatt-Vellatt氏、
そしてこの画期的な研究に従事したすべての著者の方々に敬意を表します。

この論文はこちらからご覧いただけます。

イオンチャネルと癌

イオンチャネルは、癌の主な特徴のすべてに影響する重要なシグナル伝達タンパク質です。(上図参照)
イリノイ大学シカゴ校のSaverio Gentile教授は、この密接な関係を
「癌という名のチャネルパチー」であると明確に定義しています。

 

Sophionは、イオンチャネルモジュレーションシンポジウム、ユーザーミーティング、Webセミナーにおける研究成果のプレゼンテーションなどイオンチャネル研究の最先端にあり、世界をリードするオンコチャネロパチー研究機関を支援・協力しています。

これら講演記録へのリンクは以下の通りです。

イオンチャネルと癌

Prof. Annarosa Archangeli, ICMS 2017, ‘hERG Channels: From anti-targets to novel targets for cancer therapy’

Dr Luis Pardo, ICMS 2017, ‘Kv10.1 and the cell cycle: A two-way road’

Prof. Mustafa Djamgoz, ICMS 2019, ‘In vivo evidence for expression of voltage-gated sodium channels in cancer and potentiation of metastasis’

Prof. Saverio Gentile, User Meeting 2021, ‘Targeting potassium channels in cancer from cell signaling to precision medicine

ナノマテリアルと血液脳関門に関するSophionのPNAS論文

Sophionはイオンチャネル記録技術の専門家として知られていますが、弊社の科学者は血液脳関門(BBB)を行き交うナノマテリアルの生理学的効果に関する知識においても、その分野をリードしています。

PNAS論文のカバーイメージ
血液脳関門を行き交うメタリックナノマテリアル。著者は、多様なメタリックナノマテリアルの形状、サイズ、本質的な溶解性が、その生体内変化に影響を与え、輸送形態や効率性、そして血液脳関門とその後の神経毒性への経路が変異することを発見しました。

ナノマテリアルは将来のテクノロジーとアプリケーションに大きな可能性を与えます。しかし、私たちが新しいナノワールドに入り込むには、ナノマテリアルの安全性を把握しなければなりません。

マリ・キュリーのチャリティーの出資により、この将来性のある研究は、4つの国と2つの大陸にまたがる産学連携となり、Sophionイノベーション&テクノロジーデベロップメントの責任者であるSandra Wilson博士が共同執筆者となりました。研究著者は論文のカバーイメージも作成し、名高い定期刊行物であるProceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)にも掲載されました。

この研究では、BBBを行き交うメタリックナノマテリアルについて調査し、体内のマテリアルや脳内の神経毒性について理解を深めることができました。この貴重な研究は、薬剤供給やナノメディシンを含む様々な範囲において、安全なナノマテリアルの利用に貢献することでしょう。

筆頭著者であるZhiling Guo氏とSandra氏、そしてこの画期的な研究を行った全ての著者に敬意を示します。
詳しくはこちらをクリックしてください。

ApconiXでQPatch II 48を設置しました

毒物学とイオンチャンネルの総合研究企業であるApconiXは、クライアントの高まる需要に応えるため温度制御付きQPatch II 48を導入しました。英国で初めてQPatch IIを導入する医薬品開発受託機関であるAconiXチームは、既存のクライアントだけでなく新規のクライアントにもこの装置を使用してトップ品質のイオンチャンネルサービスを提供し続け、さらに優れたデータ品質と迅速な対応を目指します。

QPatch IIシステムは、生理溶液内でシールエンハンサーを使用せずギガオームシールを生成できる独自の可能性と、測定サイトで温度管理が可能なことから選ばれました。装置は11月初旬に導入され、設置作業は順調に行われました。ApconiXチームはアッセイの設定も完了し、実験と結果分析も設置と実習をしたその週のうちに終えることができました。

ApconiXのディレクターで創業者のひとりであるであるMichael Morton氏はこのように述べます。

「我々はSophion Bioscienceと過去に協業時期があり、当時QPatchを利用し大成功しました。この高まる需要に応じるためにSophionとパートナーシップを再開することは当然のことでした。当社クライアントからは高品質データの需要が高まり、多くの場合、生理用液内でのアッセイの実行や実験時の高精度な温度管理といった特有の要求を受けています。QPatch IIはこれらの要求を満足し、さらに上の性能を有するため当然の選択でした。QPatch IIにはいくつかのアップデートで新しい機能が備わり、またデザインも魅力的です。そして、再びSophionファミリーの一員となれたことが最も嬉しいことです。これからのSophionとの協業を楽しみにしています。」

ApconiXはイオンチャンネル生物学のエキスパートであり、安全性の高い実験やあらゆる場面で非臨床プログラムの設計と供給を目標としています。

ApconiXは、世界的に有名な企業を設立するという高い志と野望を持った3人のAstraZneca従業員により設立され、非臨床で薬物安全性に関する幅広いノウハウを持つチームの技術と経験で構成されています。

近年、製薬業のモデルは、大企業の社内業務を減らし外部の信頼できるパートナーに重要な技術を委託するケースが進展しています。多くの中小企業や学術機関のグループが専門的なサービスへのアクセスを必要としています。

https://www.apconix.com/

韓国で初のQPatch IIを設置しました

SophionとSureMedicalでは、韓国で初のQPatch IIをSK Biopharmaに設置しました。SureMedicalは新たなお客様であるSK Biopharmaと緊密な協業のもと、顧客ニーズに合ったAPCソリューションとして温度制御機能付きQPatch IIシステムをお選びいただきました。スループットや生理学ソリューションにおける真のギガオームシールの取得、測定箇所の正確な温度管理といった観点から、お客様にとって最適なソリューションです。

このコロナ禍にも関わらず、設置と研修は計画通りに進み、お客様ではすでに装置を稼働しています。SK BiopharmaがQPatch IIを活用し、薬剤発見のフィールドに革命をもたらし続けると信じています。

ウェブ会議:学術研究機関における自動パッチクランプ

Sophion Bioscienceから初のウェブ会議へご招待します。

このコロナ禍において、今までとは違った方法ではありますが、このような会議が開催できることを嬉しく思います。

12月3日(木)4:00(中央ヨーロッパ時間)

 

Damianは「Bridging the Gap Between Basic & Applied Research」(研究に関する基本と応用の架け橋)に対するSophionの働きについて講演を予定しています。

Damianの前にはリンショーピング大学のNina Ottosson博士が「APC in Academia – Screening of Resin Acid Derivatives」(学術研究機関におけるAPC - 樹脂酸誘導体のスクリーニング)について講演いただきます。

登録はこちらから

 

人数によりご登録いただけない場合がございます。

イオンチャンネルの電気生物学メソッドに関する新しい書籍

本書では、典型的なメソッドセクションでは取り上げられることのない、実践方法、応用のアドバイスやコツなどを提供しています。本書は初心者と経験を積んだ研究者双方を対象に書かれており、イオンチャンネル記録技術蓄積のための基礎的な情報から最新の最先端技術を掲載しています。

このメソッドとプロトコルのコレクションは、業界を牽引する研究者の方々が快く自らの知識や経験を提供していただき、イオンチャンネルへのさらなる理解を深めることができます。

2つのチャプターはSophionのエキスパートにより執筆されています。

Kadla Røskva RosholmとKim Boddum、Anders Lindqvistは、「Perforated Whole-Cell Recordings in Automated Patch Clamp Electrophysiology」を執筆しました。

また、Kim BoddumとPeder Skafte-Pedersen、Jean-Francois Rolland (Axxam Spa.)、Sandra Wilsonは、「Optogenetics and Optical Tools in Automated Patch Clamping」というタイトルのチャプターを執筆しました。

本書へのリンクはこちらから

BPSが主催するネットワークイベント:イオンチャンネルと自動パッチクランプ オポチュニティの世界

Biophysical Societyのイベントにご招待します:イオンチャンネルと自動パッチクランプ オポチュニティの世界

薬学界や学術研究界、バイオテクノロジー業界の中で実績を持つ熟練者の方々から、なぜイオンチャンネル分野でのキャリアを選択したのか、学術研究界から産業界への移行について、彼らの研究結果による偉大な発見、この分野の将来をどのように見ているかなどについて聞いてみましょう。

 

Sophion副社長兼R&Dおよびマーケティング担当であるThomas Binzerが自動パッチクランプでサイエンス市場と学術研究界との掛け橋を築きます。

Sophion副社長兼R&Dおよびマーケティング担当のThomas BinzerとのArtem Kondratskyisのインタビューで、SophionのAPCロボットに関することや産業界および学術研究界の中でどのように使われているかなど詳しい情報が、ionchannellibrary.comにオンライン掲載されています。ぜひお読みください。

自動パッチクランプ、学術研究界とのコラボレーション、そしてSophion製品の名称全てにQが付く理由についてのインタビューです。

QubeとQPatch IIの細胞密度

Sophionでは通常、QubeおよびQPatchにおいて3×106セル/mLの細胞密度で実験を行うことを推奨していますが、私たちの最新の研究結果では、細胞消費を大幅に減らしても90%以上の成功率を実現できることが立証されました。このデータはコスト面でも工数短縮などの面でもユーザーにメリットをもたらします。とは言っても、各個別の細胞株の検証や、特に高価な細胞や貴重な細胞を使用する場合には、従来からの最適な細胞濃度での使用を推奨します。この内容に関するアプリケーションレポートはこちらへ。

Eurofins Panlabs Inc.が384フォーマット自動パッチクランプへのアップグレードを発表しました。

7月にEurofinsからQube384の発注があり、すぐに設置しました。Eurofinsは、最高の電位固定、成功率、また無人で運転できる機器を検討しており、長い時間を掛け慎重な機種選定を行いました。このような検討の結果、EurofinsのグループにSohion BioscienceのQube384を選んでいただきました。機器の導入はスムーズに行われ、わずか1週間の設置作業およびトレーニングの後には、スタッフ自身によって実験準備から実行までも行うことができました。

Eurofinsのサイエンティフィック・ディレクター=Bryan Kociはこのように語ります:

「私たちは384-APCのフィールドで徹底的な比較を行い、全てが統合されたユーザーフレンドリーで高い性能やデザインを持つQube384を選択しました。COVID-19による世界的な非常事態の中、Eurofinsの最重要課題は、クライアントの方々への供給と従業員およびその家族の安全です。Qube384プラットフォームの大きなメリットは、その場にほとんど立ち会わず無人で運転できることで作業者の時間を取らせず、クライアントの方々に継続的なサービスを提供しながら従業員により安全な労働環境が可能になります。Qube384プラットフォームは、Eurofins Discoveryの統括的なイオンチャンネルスクリーニングサービスにおける最高の追加製品であり、近い将来、Qube384による高品質で高いスループットのスクリーニングデータをクライアントの方々に提供できることを目指しています。」

Damian BellがSophionのサイエンスディレクターとしてのキャリアをスタートします

多くの方がすでにDamianをご存知かと思います。彼はイオンチャンネルの分野に長く携わっている人物です。

世界有数の学問、薬学、バイオテクノロジーおよびCROラボで25年以上の実績があります。彼の研究では、慢性疼痛、呼吸器、自己免疫や神経障害を含む幅広い治療学分野のチャンネル創薬に注力してきました。

SophionではDamianの初期のキャリアから知っています。ついに彼がチームの一員となることをとても嬉しく思っています。

Damianは自動パッチクランプ(APC)の豊富な経験を持ち、「APC時代」の始まり当初から、ほぼ全てのAPCプラットフォームを使用しています。ただし、彼はQube 384を実際に使用したことはないので、イントロダクションコースを計画しています。とは言っても彼はフェラーリも運転したことはありません。

Damianは10月1日に入社予定です。彼は英国に拠点を置く予定ですが、コペンハーゲンやボストン、その他Sophionの拠点を頻繁に訪れ、世界中のお客様やパートナー企業様にも頻繁に訪問する予定です。もちろん、COVID-19の状況が良くなり、渡航制限が緩和されてからの話ではありますが。

Sophion NAによるバーチャルユーザーミーティングの報告

さまざな分野を代表する方々から、自動パッチクランプの豊富な経験談など素晴らしいプレゼンテーションをいただきました。プレゼンテーションの後には温度制御機能に特化したQPatch II 48自動パッチクランプ装置を使用したデモンストレーションが行われました。デモンストレーションの実施にあたり遅くまでBallerupに滞在してくれたアプリケーションサイエンティストのMelanie SchuppとプロダクトマネージャーのMads Korsgaardには大変感謝いたします。

ミーティングには27機関から50名もの方々にご参加いただきました。ヨーロッパや日本など世界中からご参加いただき、大変驚きました。

また、この新たなバーチャル環境の中、魅力的な方法でそれぞれの研究内容を発表していただいたプレゼンターの方々、プログラムを円滑に運営したDaniel、WebExプラットフォームをセットアップし管理してくれたSchuyler、産業界とアカデミックの両フィールドからこのような素晴らしいプレゼングループを準備してくれたDaniel、SungそしてWeifengにも感謝しています。

次回のバーチャルミーティングに向けて私たちが準備しなければならないことは、どのようにして参加者の方々をLord Hoboビール試飲イベント会場に招待できるかです!

QRコードを読み取り、ミーティングの議題とプレゼンターのプロフィールを見ることができます。

イエール大学医学大学院と退役軍人省で自動パッチクランプが採用されました。

イエール大学医学大学院の「Center of Neuroscience and Regeneration Research」、アメリカ合衆国退役軍人省ウエスト・ヘブン・メディカルセンターでは、主に慢性疼痛に関する研究のサポートと強化のため、複数の市場にある自動パッチクランプ(APC)ソリューションを評価しました。そして、WaxmanラボにてQube38およびQPatch II 48のロボットパッチクランプシステムが採用されました。これにより、イエール大学およびアメリカ合衆国退役軍人省ウエスト・ヘブン・メディカルセンターは、このパワフルで新しいテクノロジーを持つ数少ない学術機関のひとつになりました。

QubeとQPatch IIのどちらも採用された理由は、生理食塩水内でより長くスクリーニングできること、今まで以上に集中したアッセイの運転を行う要望からでした。Qubeは無人で夜間運転できることによる長いスクリーニング、QPatchシリーズのシステムはシールエンハンサーを使用せずにギガオームのシールを達成することのできる唯一のミディアムスループットAPCです。これらロボットデバイスは人類の電気生理学と同等のハイスループットスクリーニング能力を提供します。

Dr. Mark Estacion、Dr. Brian Tanaka、Dr. Sulayman Dib-Hajj、その他多くの博士研究員やイエールMD-PhDの学生がこのハイスループット機器を使用し初期研究を行うでしょう。

イエール大学医学大学院の「Center of Neuroscience and Regeneration Research」、アメリカ合衆国退役軍人省ウエスト・ヘブン・メディカルセンターについて。
Center of Neuroscience and Regeneration Researchの目的は傷ついた神経システムの機能を再構築し、脊髄の怪我、多発性硬化症、脳卒中、外傷性の脳の怪我、神経の痛みなどから機能回復を促進する「分子革命」の実行を目標にしています。詳しくはこちら

Director Stephen Waxman MD, PhDについて(Bridget M. Flahert神経学および神経科学博士)
ウエスト・ヘブンの退役軍人省のキャンパスに1988年Center of Neuroscience and Regeneration Researchを建設しました。彼は1986年から2009年までイエール大学にて神経学のチェアマンを務めました。Waxman博士の研究は洗練された分子イメージングとコンピュータシミュレーションと共に、分子、遺伝子、生物物理、幹細胞基づいた薬理技術を使い、精神性疾患、特に脊髄の怪我や多発性硬化症、神経因性疼痛など分子ベースの調査やこれらの障害で苦しむことを和らげる研究です。Waxman博士はこれまでに700以上の科学的な出版物を発行し、それらの出版物は40,000回以上も閲覧されました。Waxman博士は多くのジャーナルにおいて編集委員会に参加し、世界中で研究チームをリードするアカデミーの神経学者や神経科学者を200人以上も教育してきました。Waxman博士について詳しくはこちら

Qube Falconがラボの効率を向上させます

Qube Falconがリリースされました。より良い薬剤を、より早く見つけることに有効なアップグレード版として提供します。
Eagle以降、Qubeは細胞固有の記録を可能にするadaptiveプロトコルを搭載し、より精密なデータを収集してきました。
最新のadaptiveプロトコルでは、さらに10〜90%の活性化/不活性化領域を柔軟に指定できるようになりました。
実験中に取得した細胞の自身における測定結果は、刺激電位としても固定電位としても直ちに適用することができます。

Falconはアイドルスイープが実行可能です。つまり一つの薬液適用ピリオドから次のピリオドへ移行する間のスイープにおいても、細胞へ均質な頻度で刺激を与え続けることで、より安定した測定結果をもたらします。

Qubeには連続抵抗(Rseries)、膜容量、リーク電流を補正する高度なメカニズムがあり、アンプ384台すべてでこれらのパラメータをコンピューターが並行して計算するのに今まで約10秒を要していましたが、Falconを使用することでこれが約4秒にまで短縮されました。この技術向上により、例えばCiPA hEGRプロトコルを、全スイープにおいてパラメータ予測付きで走らせることができるようになります。

Qubeは、夜間などにおいて無人運転が可能な高い忠実性を持った自動パッチクランプ装置であるため、自動的に画面上のバーコード/化合物リストの整合、プロジェクト内に結果の追加と分析を行うことができます。

この製品を安全に誤りなくお取り扱いいただくために、さらに詳しい情報やリモートおよび実際のデモによる紹介をさせていただきますので、お気軽に当社までお問合せください。

2020年第2四半期に新たに出版された21の査読つき論文

TMEM16A、嚢胞性線維症、薬物性QT延長症候群、てんかん用NaV1.1開口薬、その他多数の論文が2020年第2四半期以降に出版されました。そのうち2点はソフィオンによって執筆されたものです。

どうぞご覧ください!

  • Al-Sabi, Ahmed et Al. 2020. “Development of a Selective Inhibitor for Kv1.1 Channels Prevalent in Demyelinated Nerves.” Bioorganic Chemistry 100(July 2019): 103918.
  • Chow, Chun Yuen et Al. 2020. “A Selective NaV1.1 Activator with Potential for Treatment of Dravet Syndrome Epilepsy.” Biochemical Pharmacology (February): 113991.
  • Diness, Jonas Goldin et Al. 2020. “Inhibition of KCa2 Channels Decreased the Risk of Ventricular Arrhythmia in the Guinea Pig Heart During Induced Hypokalemia.” Frontiers in Pharmacology 11(May): 1–10.
  • Gonzales, Junior et Al. 2020. “Fluorescence Labeling of a NaV1.7-Targeted Peptide for near-Infrared Nerve Visualization.” EJNMMI Research 10(1): 49.
  • Henckels, Kathryn A. et Al. 2020“Development of a QPatch-Automated Electrophysiology Assay for Identifying TMEM16A Small-Molecule Inhibitors.” ASSAY and Drug Development Technologies 18(3): 134–47.
  • Hirsch, Rolf et al. 2020. “Antimicrobial Peptides from Rat-Tailed Maggots of the Drone Fly Eristalis Tenax Show Potent Activity against Multidrug-Resistant Gram-Negative Bacteria.” Microorganisms 8(5): 626.
  • Israel, Mathilde R et Al. 2020. “Characterization of Synthetic Tf2 as a NaV1.3 Selective Pharmacological Probe.” Biomedicines 8(6 Special Issue “Animal Venoms–Curse or Cure?”).
  • Koshman, Yevgeniya E. et al. 2020. “Drug-Induced QT Prolongation: Concordance of Preclinical Anesthetized Canine Model in Relation to Published Clinical Observations for Ten CiPA Drugs.” Journal of Pharmacological and Toxicological Methods 103(February): 106871.
  • Kuramoto, Kazuyuki et al. 2020. “Novel Indirect AMP-Activated Protein Kinase Activators: Identification of a Second-Generation Clinical Candidate with Improved Physicochemical Properties and Reduced HERG Inhibitory Activity.” Chemical and Pharmaceutical Bulletin 68(5): 452–65.
  • Lacivita, Enza et al. 2020. “Privileged Scaffold-Based Design to Identify a Novel Drug-like 5-HT7 Receptor-Preferring Agonist to Target Fragile X Syndrome.” European Journal of Medicinal Chemistry 199: 112395.
  • Liao, Weike et al. 2020. “Design, Synthesis and Biological Activity of Novel 2,3,4,5-Tetra-Substituted Thiophene Derivatives as PI3Kα Inhibitors with Potent Antitumor Activity.” European Journal of Medicinal Chemistry 197: 112309.
  • McGivern, Joseph G., and Mei Ding. 2020. “Ion Channels and Relevant Drug Screening Approaches.” SLAS DISCOVERY: Advancing the Science of Drug Discovery 25(5): 413–19.
  • McMahon, Kirsten L. et al. 2020. “Pharmacological Activity and NMR Solution Structure of the Leech Peptide HSTX-I.” Biochemical Pharmacology: 114082.
  • Okumu, Antony et al. 2020. “Novel Bacterial Topoisomerase Inhibitors Derived from Isomannide.” European Journal of Medicinal Chemistry 199: 112324.
  • Ong, Seow Theng et al. 2020. “Modulation of Lymphocyte Potassium Channel Kv3 by Membrane-Penetrating, Joint-Targeting Immunomodulatory Plant Defensin.” ACS Pharmacology & Translational Science: acsptsci.0c00035.
  • Qian, Binbin, Sung-Hoon Park, and Weifeng Yu. 2020. “Screening Assay Protocols Targeting the Nav1.7 Channel Using Qube High-Throughput Automated Patch-Clamp System.” Current Protocols in Pharmacology 89(1): e74.
  • Rozenfeld, Paula A, and Daniel Liedtke. 2020. “Research Article A Big Molecule Induces Schwann Cells in the Peripheral Nervous System Leading to Myelin Sheath Repair.” International journal of Diabetes & Endocrinology Research: 1–13.
  • Schupp, Melanie, Sung-Hoon Park, Binbin Qian, and Weifeng Yu. 2020. “Electrophysiological Studies of GABAA Receptors Using QPatch II, the Next Generation of Automated Patch-Clamp Instruments.” Current Protocols in Pharmacology 89(1): e75.
  • Tran, Hue N T et al. 2020. “Enzymatic Ligation of a Pore Blocker Toxin and a Gating Modifier Toxin: Creating Double-Knotted Peptides with Improved Sodium Channel NaV1.7 Inhibition.” Bioconjugate Chemistry 31(1): 64–73.
  • Walsh, Kenneth B. 2020. “Screening Technologies for Inward Rectifier Potassium Channels: Discovery of New Blockers and Activators.” SLAS DISCOVERY: Advancing the Science of Drug Discovery 25(5): 420–33.
  • Zhu, Fang et al. 2020. “Structural Optimization of Aminopyrimidine-Based CXCR4 Antagonists.” European Journal of Medicinal Chemistry 187: 111914.

もう一つの20周年

Jørgen Dueのことをご存知の方は、彼の人生がSophionと共にあることもご存知でしょう。
彼がSophionへ入社してから今年で20年となります。皆さん、一緒にJørgenをお祝いしましょう。

https://youtu.be/pijSmV-_Lgc

2000年当時、ごく普通の若者だったJørgenは、Sophion創業初期のスタッフの一人でした。
純粋で先駆者精神を持つJørgenはSophionの組織作りに尽力し、現在のSophionの礎を築いてくれました。
Jørgenは孤高の戦士として単独で技術サポート技師を務め、QPatchの世界展開に多くの時間を費やしてくれました。
その歳月で、たくさんのフライトマイレージポイントを貯めたに違いありません。

当社が成長していく中で、Jørgenは技術サポートグループを管理し、発展・拡大してくれたおかげで、当社は世界中のパートナー企業様やクライアント様をサポートする専門的で優れた技術チームを有しています。

Jørgenとそのチーム - 用心棒のように見えますが実はみんなとても良い人たちです。

 

最高の技術者であると同時に、Jørgenは常に信頼のおける人物であり、実務のアドバイスが必要な時は、穏やかな物腰と態度を持って、快く耳を貸してくれる人物です。

20年の間、良き同僚としてソフィオンと共に歩んできてくれたことに感謝します。

これからの20年もそうであることを祈っています。

Sophionユーザーミーティング(オンライン)開催のお知らせ

ソフィオンでは2020年9月22日(火)AM11:00からPM3:30 オンラインによるユーザーミーティングの開催を予定しています。

プログラムは下記の通りです。

Zoom ウェビナーへのアクセス方法(英語版)は、こちらをクリックしてください。

11:00 AM  Sophion最新ニュース紹介
Sophion Bioscienceグローバルプロダクトマネージャー Mads Korsgaard氏
11:30 AM  Charles River Laboratories社
Biology Discovery グループリーダー Jonathan Mann氏
12:00 正午  Knopp Biosciences社 Alexander Komarov氏
12:30 PM  Astellas Institute社 Dang Dao氏
01:00 PM  イェール大学 Mark Estacion氏
01:30 PM  Xenon Pharmaceuticals社 Sam Goodchild氏
02:00 PM  Nocion Therapeutics社 Jim Ellis氏
02:30 PM  Sophion Bioscience Inc. Sung Hoon ParkによるQPatch IIデモ

各プレゼンテーションの議題は後日発表します。

本ユーザーミーティングは、Zoomウェビナーによるオンライン開催を予定しています。
参加をご希望の方は、Schyler Kingまでメールにてご連絡ください。。

ユーザーミーティングで、皆様とお会いできることを楽しみにしています。

北米地区 スタッフ募集のお知らせ

ボストンの前Sophion laboratoryマネージャー Daniel Sauterがカリフォルニアに異動し、アメリカ西部およびカナダを管轄することになりました。
これに伴い、Sophion laboratoryではボストンで新たな研究員を募集いたします。

ここ数年の事業展開と活動増加を受け、改めて西海岸での増員が必要となりました。

Danielが奥様と2人の子供達と共にサンディエゴへの異動を了承してくれたことに感謝いたします。
Danielは新たな役職でも、彼の電気生理学とQPatchやQube 384に関する膨大な知識を持って、お客様の技術的サポートを継続します。
また、Danielは新たな任務として事業開拓および営業販売も担当します。
来月、Danielが就任したのち、地域のお客様には本人より連絡いたします。お問合せや、Danielへご連絡をいただける場合には、ぜひこちらのE-mail(DRS@sophion.com)へご連絡ください。

Danielがボストンから不在になることにより、代役の急募が必要となります。
募集要項についてはこちらをご覧ください。
Danielの後任として重責を担っていただくことになりますが、多才で情熱を持った電気生理学者の方がまだまだ多くいらっしゃると思いますので、ぜひご応募ください。

hERGおよびNav1.5チャネルからの同時記録

QubeにおいてマルチホールQChipを用い、Nav1.5とhERG細胞を混合して実験を行うことが可能であることをファイザー安全性部門が示しました。
それぞれ異なる電気生理学的性質を持つこれらの細胞を混ぜ合わせたとしても実験は高い成功率を示し、結果も個々の細胞のみを用いて実施したものと高い相関性を示しました。

こちらのポスターをご覧ください。

新しいアプリケーションレポート:Qube 384における穿孔パッチクランプ記録法

Run-downと戦うよりもQube384システムで穿孔パッチクランプ法を行うことを考えてみませんか?私たちは、4つの異なる穿孔剤のいずれかを使用し、Qubeでの穿孔パッチクランプ記録方法の詳細説明を記した新しいアプリケーションレポートを作成しました。

レポートの全文内容は、こちらをクリックしてください。

Metrion社開発の新試験系:QPatchを用いたNav1.5 late 電流 心臓安全性評価試験

Metrion社はQPatchを用い、薬理学的な活性化剤を必要としないNaV1.5(late)試験系を確立しバリデーションを行いました。これによって心臓安全性スクリーニング試験の信頼性とコストを改善することができました。
詳細はこちらから。

私たちの新しい博士課程の学生、Jiaye Zhangさん おめでとうございます

Jiaye Zhangさんは、自身の論文「イオンチャネル研究のための光遺伝システム開発」により見事にクランフィールド大学の博士号を取得しました。本当におめでとうございます

今後も、博士課程の学生の方々がソフィオンに来て新しい研究に取り組むことが期待されています。
今回のJiayeさんのプロジェクトは、Qubeオプト
解決のための事前作業と初期の研究でした。

Jiayeさんは、現在 中国科学院で神経幹細胞の博士研究員として順調に働いており、私たちは非常に嬉しく思います。

2019年第一四半期の新しい論文やポスター、レポートを紹介

ソフィオンのパッチクランプを使い、ALS疾患モデルにおいてiPS細胞由来の運動ニューロンがどのように特性化するのか学びましょう。ソフィオンのQubeや、癌領域のイオンチャネルについて、Amgen、Axxam、 Sanofi、 Kings College London、 BrainXell などのアカデミアや研究機関から学びましょう。

学術論文

D Wang et al 2018. Synthesis of Pseudellone Analogs and Characterization as Novel T-type Calcium Channel Blockers. Mar. Drugs, 16(12), 475

B Kaproń et al 2018. Development of the 1,2,4-triazole-based anticonvulsant drug candidates acting on the voltage-gated sodium channels. Insights from in-vivo, in-vitro, and in-silico studies. European Journal of Pharmaceutical Sciences Vol 129, Pages 42-57

S Yadav et al 2018. Benzothiophenes as Potent Analgesics Against Neuropathic Pain. Biochemical and Biophysical Roles of Cell Surface Molecules, Advances in Experimental Medicine and Biology 1112

Reyes-Corral et al 2019. Differential Free Intracellular Calcium Release by Class II Antiarrhythmics in Cancer Cell Lines. The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics [17 Jan 2019, 369(1):152-162]

Miner et al 2019. Drug Repurposing: The Anthelmintics Niclosamide and Nitazoxanide Are Potent TMEM16A Antagonists That Fully Bronchodilate Airways. Frontiers in Pharmacology, Vol 10, Article 51

Das et al 2019. Novel Chitohexaose Analog Protects Young and Aged mice from CLP Induced Polymicrobial Sepsis. Nature Scientific Reports, Vol 9, Article 2904

Sanson et al 2019. Electrophysiological and Pharmacological Characterization of Human Inwardly Rectifying Kir2.1 Channels on an Automated Patch-Clamp Platform. Assay Drug Dev Technol. 2019 Mar

Bagchi et al 2019. Disruption of Myelin Leads to Ectopic Expression of KV1.1 Channels with Abnormal Conductivity of Optic Nerve Axons in a Cuprizone-Induced Model of Demyelination

ポスター:

Sauter et al 2019. Biophysical and Pharmacological Profiling of Multiple Voltage-Gated Sodium Channel Subtypes on QPatch II. Poster, Biophysics 2019

Rosholm & Schupp 2019. iPSC-Derived Motor Neurons on the Automated Patch Clamp Platforms Qube and QPatch. Poster, Biophysics 2019

Boddum et al 2019. Optical modulation of ion channels using Qube Opto. Poster, Mammalian Sensory Systems 2019

アプリケーションレポート:

Boddum, Korsgaard 2019. Pharmacological evaluation of GABAA receptor subtypes on Qube 384. Sophion Application Report

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GABAA受容体サブタイプのQube 384での薬理評価

リガンド作動性の実験では、培養や刺激、試験薬やその組み合わせなどの場面において多くの化合物の添加が必要となります。384フォーマットを使えば、処理能力が飛躍的に向上し、興味深い新たなネガティブアロステリックモジュレーターやポジティブアロステリックモジュレーター、他の種類の化合物の発見が期待できます。

ここではQube384を使ったGABAAチャネル3種のサブタイプに関する研究レポートを以下に抜粋して報告します。

– GABA半数効果濃度の反復刺激で短時間のリガンド適用
– アゴニスト、アンタゴニスト、モジュレーターの効果
– 累積および非累積濃度反応関係
– 異なるGABAAサブタイプを示す4つの細胞株 薬理学的物性の特性化

アプリケーションレポートの全文については、こちらをご確認ください。

あなたのAPCシステムを最大限に活用しましょう

ソフィオンのシステムは簡単にご使用いただけるだけでなく、さまざまな新しい知識の習得を可能にします。。私たちは、よりよいアッセイのセットアップや夜間の自動運転を可能にし、実験から有用な情報を引き出すソフィオン・アナライザーの機能をフルに活用して頂くための、QPatchとQubeのトレーニングコースを提供しています。

各コースは日本、アメリカ、デンマークのソフィオンにて開催を予定しており、5月1日にデンマークのコペンハーゲンからスタートします。日本とアメリカでの開催は10月を予定しています。ソフィオンの装置をお持ちの方は是非ご来場ください。プラチナおよびゴールド契約のお客様は参加無料となっております。

詳細はアプリケーションサイエンティストにご連絡ください。5月1日のトレーニングへの申し込みはこちらへ。

チャールス・リバー・ラボラトリーズ社よりHTSイオンチャネルスクリーニングに関する2つのポスターを発表

プレートの自動供給装置であるスタッカーを利用することにより、チャールス・リバーでは、P2X受容体およびGABA受容体の両方のハイスループットスクリーニングに適したアッセイの開発とバリデーションを行いました。1秒未満で短時間のリガンド暴露はこのアッセイに必要な反復刺激を可能にします。もう一つの電位依存性ターゲットを対象とするアッセイでは、高品質の電気生理学的手法により測定可能となる多量のパラメータを扱うために、ベースとなるソフトウェアの処理能力が十分パワフルであることが重要です。リガンド作動性ターゲットについてはこちらを、NaV1.1アッセイについてはこちらをご覧ください。

新しいQubeソフトウェアバージョン、Eagleのリリース

すべてのユーザー様の声を聴き、多岐にわたる新たな機能を導入しました。頂いたご要望の数はなんと260種類にもわたります。中でも最も素晴らしいのは「384チャネル装置初」となる、測定ポイントごとに対応可能なプロトコルです。これによりQubeを使い、例えばチャネル活性化電位の半値をすべての細胞から記録できるようになります。より高精度なデータを生成し、より簡単に、より早く、正しい作用機序による候補化合物の選別を可能にします。