Qube 384 ダイナミックプラットフォーム

Qube 384

Qube 384は、Sophionが次世代の研究者を支援するために開発した、25年以上の実績ある技術とコンポーネントに基づいて構築される専用のオーダーメイドプラットフォームです。第3世代のQube 384はこれまで以上に進化しており、イオンチャネル研究における新たな発見を可能にするさまざまな新機能を備えています。

データポイントあたりのコストを削減しながら、より優れた医薬品を素早く提供

数千の化合物を同時にテストできる機能により、潜在的な薬剤候補のスクリーニングが大幅に強化されます。手動パッチクランプと比較して、Qube 384は効率を大幅に向上させ、この分野の特徴である高い精度を維持しながら、最小限のオペレーションで実験を行うことができます。
マニュアルなどに頼らず自ら行う操作により、より速くデータを収集することができ、従来の前臨床薬開発を複数年単位で短縮できます。
Qube 384は、薬剤スクリーニングの総コストも削減します。有望な化合物を早期に特定し、その後の開発中止で発生する費用を抑えることができます。
さらに、高度なデータ解析ツールにより、イオンチャネルの挙動に関する本質を捉えた詳細かつ完全な情報が得られます。

Qube 384のメリット

  • スループットの最大化
  • 開発時間の短縮
  • 一貫性と正確性
  • データポイントあたりのコスト削減
  • 手作業への依存度減少



学術研究の範囲拡のためのスループット・より複雑な実験への対応力の向上

Qube 384では、多くの細胞を並行して実験できるため、複数のイオンチャネルの種類、条件、または化合物について、より短時間で研究を行うことができます。これにより、研究の範囲が拡大し、インパクトのある研究の実施が可能になります。
このプラットフォームにより、専門的なスキルが必要なくなり、実験に要する時間が節約されるため、研究者は手作業の代わりにデータ分析と実験計画に集中できます。
自動化により実験誤差が最小限に抑えられ、再現性が向上し、他の実験者が簡単に再現可能な一貫性のある偏りのない実験結果が保証されます。
Sophion®の高度なデータ解析ツールは、イオンチャネルの挙動に関するリアルタイムのフィードバックと深く本質を捉えた結果を提供し、研究者が速やかに生物物理学的メカニズムに焦点を絞ることを可能とし、健康と病気に関わるイオンチャネルへ理解を深める過程を支援します。
Qube 384は学生や若手研究者にとって使いやすく、研究室間のコラボレーションを促進し、データ共有や大規模研究が容易になります。

Qube 384のメリット

  • 研究範囲の拡大
  • 手動作業への依存度軽減
  • 再現性と一貫性の向上
  • 偏りのない実験結果
  • 高度なデータ分析ツール
  • 複雑な実験機能
  • 簡単な学習体験



将来の研究ニーズに備えた、独自のダイナミックなプラットフォーム

完璧を求めるために時間を掛けることより、継続的な改善の方が優れているとSophionは考えます。
そのため、Qubeをイオンチャネル研究におけるニーズ変化に合わせて進化するように設計しました。
技術革新に対する当社の責務とシステムの保守契約の一環として提供するソフトウェアアップグレードにより、常に最新の技術にアクセスできるようになります。
新しい重要な機能を組み込めるQube 384は、将来性のある投資となります。Sophionが自社開発した実績ある独自技術に基づいて構築されており、世界中のQubeユーザーからの貴重なフィードバックをもとに継続的な改良ができるように設計されています。
Qubeダイナミックプラットフォームの私的的な今後の開発計画について、ご説明の機会をいただければ幸いです。

Qubeダイナミックプラットフォーム

  • 継続的なソフトウェアアップデート
  • 機能アップグレードに対応できる独自技術
  • QChipの実験効率を高める継続的改善
  • 将来の研究ニーズへ容易に適応
  • 研究投資が常に最新となる環境を保証

 

Qube自動化パッケージにより、8時間の無人自動実験が可能

真の無人自動実験により、研究室のリソースを効率的に活用することで厳しいスケジュールに対応し、貴重な時間を節約しながら、創薬やイオンチャネル研究の成功率を最大限に高めることができます。

 

Sophionソフトウェアにより、簡単な実験セットアップと大規模なデータセットの正確なデータ分析が可能

オートパッチクランプでは効率的なデータ処理を必要とする膨大なデータが速やかに得られます。Sophion Analyzerは、すべてのSophionプラットフォームに対応する分析ソフトウェアであり、パッチクランプデータに特有の詳細情報を保存しながら、一度に数千の実験を高度に分析することができます。
プロジェクトの自動分析により、実験結果の出力、リード化合物のプロファイルに関するケミストとのディスカッション、新たな生物物理学的特性を探るなどの時間が確保されます。

  • 膨大な研究データを簡単かつ効率的に処理
  • 変更不能な生データを確実に保護するデータベース
  • Sophion Thor®に対応 – クラウドにデータを保存して共有
  • インターネットにより、どこからでもデータアクセス
  • あらゆる変更を追跡し、GLPの監査証跡と完全なトレーサビリティを提供
  • デジタルアシスタントSophie®で簡単操作
  • 事前作成されたプロジェクトテンプレートにより、他の重要なタスクへ時間を確保

 

アーティファクトを最大100%除去するよう設計されたQubeの高忠実度アンプ

Sophionのすべてのパッチクランプアンプは、最大100%のRs補正を可能にする特許取得済み技術を採用しており、致命的なオシレイションによる細胞の損失を回避する自動クリップ検出機能を備えています。これにより、高品質な記録を維持しながらデータ取得のスループットが向上します。Sophionでは独自にアンプを開発しています。アダプティブ電圧・電流クランププロトコル、超高速なリークおよびキャパシタンス補償を最初に開発したのは当社です。私たちは止まることなく、将来開発する技術は必ずQube 384で利用できるようになります。

  • パッチクランプの精度向上
  • 最大100%のRs補正
  • 特許取得済みアルゴリズム
  • 同一のQChip上で圧力、電位および電流クランプの背帝が異なるプロトコルを並行で実行して、データ出力を最大化



Qubeの高忠実度アンプとアダプティブ電圧プロトコルにより、クリアな信号とバラツキの少ないデータを保証

電位クランプは、細胞の膜を通過するイオン電流を測定しながら、細胞の膜電位を制御するために使用する技術です。この技術は、細胞全体または分離された細胞膜に適用できます。
アダプティブ電位クランプはSophionアンプの独自機能であり、各細胞の生物物理学的特性に合わせて電位クランププロトコルを個別に最適化します。Qube 384システムは、細胞ごとのBoltzmannフィットを自動的にオンラインで実行します。これによってイオンチャネルのXX%を活性化するために必要な細胞固有の電位、またはイオンチャネルのXX%を不活性化状態に保つ電位を推定するが可能となります。

  • 自動化された細胞固有のBoltzmannフィット
  • 細胞ごとの生物物理学的条件でクランプ
  • 活性化および不活性化プロトコル
  • オンラインによるパラメータの品質管理とRs補正
  • Boltzmannフィットが不調でもデータ損失なし



Qube高忠実度アンプが、単一のプロトコルを使用し384個の細胞すべてから同時に生理学的応答を記録

アダプティブ電流固定は、Sophion製アンプの独自機能です。オートパッチクランプ装置におけるでの電流固定の主な課題は、細胞ごとのシーリングと静止膜電位のばらつきです。このため、単一の電流固定プロトコルですべての細胞に対応することは不可能です。当社は、独自のアダプティブ電流固定機能でこの問題を解決しました。
Sophionの自動電流固定を使えば、アダプティブ電流固定機能を選択することで、静止膜電位を細胞ごとに判定し、それに応じて保持電位を設定できます。
アダプティブ電流固定は、各細胞の静止膜電位を補正すると同時に、活動電位波形をより正確に描写し、成功率を向上させることができます。左のパネル:詳細図。右のパネル:アダプティブ電流固定なしの細胞(左)と、アダプティブ電流固定ありの細胞(右)の例。アダプティブ電流固定ありの細胞(右)からは、より多くの生理学的応答に関する情報を得ることができます。
Sophionのアダプティブ電流固定機能は、アッセイ設定ソフトウェア上に設定した目的とする静止膜電位を維持するために必要な電流量を細胞に注入する高度なフィードバック調整技術を利用しています。
電位記録の安定性を高めるため、実験前に細胞及び電極のパラメータを記録サイトごとに測定します。この結果は、フィードバックループを個別に調整するために使用されます。個々の記録サイトにおけるこの高度な調整と制御は、オートパッチクランプ専用のアンプを開発したことで初めて可能になりました。

  • 自動化された細胞ごとの電流固定解析
  • 単純な電流固定または同一スイープ内での電位固定と電流固定の混合記録
  • 個々の静止膜電位とIrheoを取得するためのアダプティブ電流固定



今後数年にわたり超高精度と信頼性を実現するように設計されたQubeの分注装置

 

  • ピペットチップ内の溶液を重層することにより脱感作を抑え、アゴニストへの曝露を軽減
  • 個別の注入口と吐出口に接続する微小流体チャネルを内蔵したQChipによる超精密な薬液濃度制御
  • 化合物プレートの調製を可能にする分注ロボット
  • 実験中に1ウェルあたりわずか22μLで内液交換が可能



インテリジェントで完全に自動化されたQube細胞調製ユニット

Qubeの自動化の顕著な特徴は、8時間を超える無人オペレーションのために設計された細胞調製機能にあります。真の自動無人オペレーションにより、ラボのリソースを効率的に活用することでタイトな研究スケジュールに対応し、貴重な時間を節約しながら、創薬やイオンチャネル研究の成功の可能性を最大限に高めることができます。
低容量の細胞調製プレートとQChipの部分使用を可能にしたことで、iPSCや初代細胞の調製などで細胞消費量を極めて低く抑えることができます。

  • 必要なときに調製した細胞を正確に供給
  • ワークフローを簡素化し、時間とリソースを節約
  • 極めて低い細胞消費量



温度コントロール機能による極めて正確で一貫した温度制御を保証

Sophionの精密な温度制御により、加熱および冷却のいずれの実験も可能です。これにより、実験室環境の温度変化によって引き起こされる実験結果の変動が軽減され、より高い反復性と再現性が保証されます。
Sophionの温度制御モジュールを使用することで、10~42℃の範囲において、±0.5℃という高精度で正確かつ迅速な温度調整が可能になります。
温度測定とフィードバックは、記録サイトの下のBON(Bed of Nails)を介して直接取り込みます。温度制御はBON内に循環させる水を媒体として行います。BONに流路を組み込むことは、簡単な技術ではありませんが、変動を最小限に抑えて正確に制御するには、温度制御を測定場所のすぐ近くで行う必要があります。これにより、実験室およびキャビネットの温度変化による実験への影響を排除できます。

  • 極めて正確な温度制御
  • 高い反復性と再現性
  • 生理学的温度で実験を実施

 

改良を積み重ねた、これまでにない多用途で使いやすいシステム

ユーザー様からのフィードバックと緊密なコラボレーションに後押しされた10年にわたる継続的なイノベーション。Sophionは今日のニーズに応えるだけではなく、将来のニーズにも取り組んでいます。使用する実験プレートとオペレーティングシステムのインターフェイスとのシームレスな統合は、まったく新しいQube 384の設計思想を体現する一例にすぎません。

テクノロジーと人間工学の融合がもたらす快適操作

Sophionはオートパッチクランプをさらに一歩進め、人為的ミスのリスクを事実上排除しました。実験準備は簡単で、すべてのコンポーネントをどの位置に収めるべきか一目瞭然となっています。
当社は、自動化は複雑化ではなく、簡素化されるべきであると信じています。そのため、当社は常にユーザーを念頭に置いてシステムを設計し、研究者が革新的なイオンチャネルの研究に時間を費やせるよう、簡単操作を目指しています。
Qube 384を使用すると、日々の実験がより簡単かつ効率的になります。